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魔法少?リリカルなのは UnlimitedStrikers
Duel:10 響
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はな――
「……ぇぇぇ」
視線の先に、元の……男の主がいることに驚きを隠せませんでした。
ただ、突然この人が主ですー。なんて紹介は出来ませんし、何とか主が変わるトリガーを探さなければと考えていると。
ふと、強い違和感を感じました。
普段の主ならば……私の存在に気が付きそうなのに。旅館の長椅子に座って俯いたままです。私も主も、旅館の浴衣を来ているので、見た目は怪しまれることはありません。ですが、ただ俯いてるだけではなく、何処と無く近寄りがたい雰囲気が出ている事に、今更ながら気づいたことです。
私の存在に気づいたのか顔をあげると、まっすぐこちらを見据えて。困ったような、悲しような顔で……。
「……はな。ちょっといい?」
ゴクリと、息を呑みました。何処と無く……恐いと思ってしまいました。悲しそうな顔だと言うのに……その眼の奥には何かを決意したような、そんな強い意思が宿っていて。
まるで何処かに戦いに行くような。そんな眼でした。
「……主、何でしょう?」
言いたいことは沢山ありました。戻ったことを喜びたい事。主には申し訳ないですが、また変わる為のトリガーを探さなければいけないこと。ここのお風呂が気持ちよかったこと。浴衣を着るのがちょっと大変だったということ。
沢山、沢山ありますのに。ただ、静かに話を聞くことしか出来ませんでした。
「……はな。俺はこれから外へ出る。だけど、何時まで経っても帰ってこれない時には。先に元の世界に帰ったものだと捉えて欲しい」
ぽんと、頭を撫でながら主は言葉を発する。くすぐったくて心地よい筈なのに……どうしてか、嫌な気がしてなりません。
「それ……は、どう……いう?」
声が震えてしまう。私の頭から離れる手がとても遠くに感じて……。
「……はな?」
自然と、その手を取ってしまいました。きっとコレは主なりの優しさなのでしょう。これから起きるであろう事に私を巻き込まないために。
だからこそ。
「名は花霞。主緋凰響の融合騎であり、貴方を護る盾であり、共に往く者であります。水臭いですよ主?
まだ主とも温泉に入っておりません。一緒に行って、一緒に旅館に戻って、温泉に浸かりましょうよ?」
周囲に人の気配はあるけれど、この時点で既に認識阻害の魔法は掛けている。故に私達の存在は認知されていない。
「……だが」
「だがも何もありません。さ、行きましょう」
アウトフレームを元のサイズに戻して、スッと主の浴衣の懐に潜り込む。私がインテリジェンスデバイスの時、よくこうして見上げていたのを思い出して。口元が緩んでしまいます。
だけど、それでも主の表情は晴れません。そして、懐の私を下から包み込
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