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魔法少?リリカルなのは UnlimitedStrikers
Duel:10 響
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警戒した瞬間。
「……よしよし」
「ッ」
撫でられた手を咄嗟に払ってしまった。
そんな事をした自分が信じられなかったけれど……七緒はそれを受けて。
「よし、ありがと。そろそろ私行くね? また後で」
小さく笑みを浮かべながら、七緒が出ていくのを見て……部屋に残された俺は一人。
「……情けないなぁ」
すっかり弱くなった涙腺が、また緩んだのが分かった。
――side響――
「……あー。やっぱブラックコーヒー旨いわぁ」
はぁーと、美味しいため息を吐きながら、缶コーヒーの縁をなぞる。そして、大浴場の脱衣場には人が居ないということも更に良かった。
「久しぶりに元に戻るといいわぁ」
パタパタと、備え付けのうちわで仰ぎつつ風を感じながら。近くの姿見を再度確認すると、ニヤリと黒髪長髪の男が笑う。
そう……。
「やっぱ、こっちだわぁ」
なんか戻ることが出来ました! やったね! しかし、本気で焦ったことと、驚いたことがある。
焦ったことは単純に皆に連行というか、風呂に連れられていく最中に。体の中から乾いた音が聞こえた時に。本気で気配を消して女湯から、男湯の移動して姿が変わった時には歓喜したなぁ。久しぶりじゃないか! と思えるほどここ最近の時間が濃密だったのも有るんだろう。すごく安心できる。
丁度いいタイミングでも有る、ここ最近は嫌な夢を見ていたし……。
ただ、戻ったこと以上に嬉しい事が一つ。この姿になる直前、体中に包帯巻く程度に重症だった体が、どういうわけか完治していること。
今困ってるのは、子供の姿に慣れているせいで歩幅が合わなくて歩き難いというのと、どうやってまた戻す為のアルコールを手に入れるかということ。
前者はゆっくり治せば良いし、後者は……フェイト
さん
(
・・
)
かはやてさんに頼めば何とかなるだろう。どちらも二十歳になってたはずだし。
だが、今は……。
久しぶりに戻った以上、散歩がてらに楽しむとしようじゃないか!
空き缶をゴミ箱に捨てながら。旅館の浴衣に着替えて。男湯ののれんを潜って廊下へ出ると。
「……ぁ」「おっと」
とん、と腰の辺りに何かが打つかる。ぶつかったものが倒れそうになったのが見えて咄嗟に手が伸びて。
「済まない。大丈夫?」
「……ん」
ピンク色の髪をした女の子が立っていた。しかも、どっか見たこと有るような、無いような……。
眠たげな眼でじっとこちらを見つめる女の子。不意にその目が見開いたと思えば。
「……サト?」
問いかける名前を聞いて、こちらの関係者だったかと頭を抱えそうになるのを堪えて。
「? 人違い、だと思うよ?」
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