第三章
[8]前話
息を切らさんばかりの勢いで駆けてです、七面鳥達のところに戻りました。そして何とか柵の中に入るとです。
七面鳥達はいました、そしてその彼等に言われました。
「あと少しだったよ」
「本当にあと少しでだったよ」
「お月様がお空の一番上に辿り着いていたよ」
「そうしたら僕達はここから去っていたよ」
「そして二度と戻らなかったよ」
「よかったわ、約束を守れて」
このことにほっとして言う虹でした。
「本当に。若しふとお月様が目に入らなかったら」
「危なかったんだね」
「時間に気付かなかったんだね」
「そうだったら」
「ええ、運がよかったわ」
「それ運がいいんじゃないよ」
七面鳥達は虹にこう言いました。
「月の神様が見せてくれてね」
「時間を教えてくれたの」
「そうだよ、ご主人がいつも真面目に働いているのを知っているから」
その姿をお空から見ていてというのです。
「教えてくれたんだよ」
「そうなの」
「人は誰だって間違えるけれど」
それでもというのです。
「真面目に働いている人はね」
「助けてくれるの」
「今のご主人みたいに、だからこのことは神様に感謝して」
「それでなのね」
「服と飾りものを返してくれるかな」
「わかったわ、じゃあね」
「うん、そうしてね」
七面鳥達はこう虹に言ってでした、実際に娘から服と飾りものを返してもらいました。そうしてからです。
虹にです、こうも言ったのでした。
「想いの人と歌って踊れてよかったね」
「このことはきっともっといいことになるよ」
「だからその時を楽しみにしてね」
「また真面目に働いていこうね」
約束を守ることが出来た虹に優しい声で言うのでした、そして実際にでした。
次の日強風から虹のところに来て今度はお祭りの最後まで一緒に歌って踊ろうと言ってきました。虹はにこりと笑ってその申し出に応えました。
真面目に働いている虹を七面鳥達だけでなく月の神様も助けてあげてそこからさらに愛も貰うことになりました、アメリカに古くから伝わるお話の一つです。
娘と七面鳥 完
2019・2・6
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