第二章「クルセイド編」
第十三話「残った謎」
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苗字について、『どこかの女』ことプレシアについては思い至らなかった様だ。そう安堵するのをまた内心で感情のコントロールが上手い奴なのかも知れないといさめる。
「アタシはアルフ。」
男の興味はむしろそちらに向けられていたようだ。
「そういや聞きたかったんだが...お前、使い魔か?」
いずれにせよ魔法に関りのある人物と言うのは確定したが。
「ああそうだよ。アタシはフェイトの使い魔さ。」
じょりじょりと顎鬚を擦りながらエドワードはフェイトを見た。
「へえフェイトちゃんの、ね。」
「あ、あのそんなに見ないでください。」
「おっと、わりいわりい。流石にアラサーのおっさんにじっくり見られるのはフェイトちゃんの年頃の女の子じゃ嫌か。
それともちゃん付けは嫌か?んん?」
「あ、そっちは大丈夫です。」
「おおそうかそうか。そりゃよかった。それで、お前は?」
サングラスをとっても凶悪そうにみえる眼をぎょろりとさせてリオンを見た。
本当にこのエドワードと言う男はどう見ても医者には見えない。
あの女と同じように斧なんかを振り回したりして暴れたりするほうが、聴診器や処方箋を片手に小難しい顔をするより絶対に似合う。
シャルもきっとそう考えるはずだ。
そう言う訳で若干警戒しながらリオンは名乗った。
「リオン・マグナスだ。」
「ほー...リオン、ね。」
「ああ...何か気にでもなるのか?」
不思議そうな顔になったエドワードをみてそう聞き返した。
「あ、いや。大した事じゃない。」
釈然としない様子ながらも引き下がったリオンをみてエドワードは胸を撫で下ろした。
(流石に面とむかってお前本当に男だったのか、とは言いづれえからなあ...女顔だって言ってる様なもんだし)
実際の所声を聞くまではこのエドワード自身半信半疑だったのだが...尚更言えまい。
こう言うのは概してコンプレックスである事が多い。ただでさえ警戒されているのに妙な事を言ってへそを曲げられるのも彼らとしては面倒なだけ、と言うことだ。
「おい」
「…ああ、なんだ?」
(イカンイカン...こうやって物思いに耽っちまうのは、悪い癖だ。)
そう考えているのを知る訳もないリオンはテーブルの上にある皿を指差していった。
「これを作ったのは誰だ?」
エドワードはニヤリと笑った。
「今呼ぶよ。」
チリンとテーブルの上のハンドベルを鳴らした。
「今日のシェフー?」
「ベルだけで良いっての...」
緑色の髪をしてコック帽を被っている青年が厨房の奥から現れた。
…それだけならプロにも見えるのに「ごはん当番」と下手糞なミッド語で書かれているエプ
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