第二章「クルセイド編」
第十三話「残った謎」
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..」
しゅん、となってもう一度椅子に座りなおした。
「見たところ案外元気そうだね、アンタ。」
「フン...」
その様子をニヤニヤしながら、銀髪の男は眺めていた。
「仲良いな、お前等。」
「別にそんなんじゃない...」
「照れるなよ。悪いことじゃないだろ?」
「ッ!...それより、食事はまだなのか?」
「今運んでくるだろ。ほら。」
見ると割烹着をきた空色の髪の男の子が体以上の大きさのワゴンを押してきた。
「ご苦労だな、マーク。」
「僕は運んだだけですよ。」
「それでも立派だよ。」
銀髪の男になでられながら、気持ちよさげに男の子は目を瞑りながら笑っていた。
だがそんなことよりも、やはりリオンとしてはワゴンから立ち上る湯気のほうが気になった。
焼き立てだろうホットケーキ、カリカリなことが見て取れるパン、どれほどの時間眠っていたのかはわからないが空腹を感じている人間が渇望してやまない暖かな食事だった。
「あ、あのー」
やはり此方も空腹らしいアルフが待ちかねたように銀髪の男に声をかけた。
「まだ食べちゃ駄目かい?」
「あ、スマン、忘れてた...そんなに睨むなよ。」
と言って彼は手を合わせた。
「いただきます。ほら、お前等も。」
「あ、はい。」
「わかったよ。リオンも。」
「仕方がないな...」
「「「いただきます。」」」
…そういやまだ自己紹介をお互いにしてなかったなあ。」
食後のコーヒーをがぶりと飲んで銀髪の男は言った。
「俺はエドワード。エドワード・クリスティだ。エドと呼んでくれ。
これは言ったと思うが医者をしている。んでコイツはマーク。」
「マーク・ヒンメルです。初めまして。」
割烹着の少年はハキハキとした口調でそう名乗った。
「じゃあ、次はお前等な。聞かせてもらえるか?」
とりあえずこの男が医者なのは間違いないらしいーと言うのは、その様子でなんとなくわかった。
そうでなくともきっちり巻かれた包帯や最初にリオンがよろけたときの受け止め方からして医療の専門家であるのは間違いないしこうやって食事も作ってくれたのなら信用に値するのではないかー
この思考をリオンが行った時間僅か0.3秒程。素晴らしい速さだが、その間にはもうフェイトは口を開いていた。
「フェイト・テスタロッサです。」
(おいフェイト、わかっているのか?少なくともその苗字は結構有名なんだぞ?)
内心で舌打ちした…全くどこかの女の所為で身元がばれやすくなった…フェイトが迂闊な所為だと考えたのはそれからだいぶ遅れてのことだった。
幸いにも表情に変化がないところを見るとあの男にはその
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