第二章「クルセイド編」
第十三話「残った謎」
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暖かい。
虚数空間に落ちて行ったリオンはそう感じた。
なにやら光に包まれたとき...今度こそ僕は死ぬのかと思った。
神の気まぐれは二度も起こるまい...
だがせめて、フェイトは...
人並みの幸せすら一度も手にしたことのないこの娘は...
僕の誇りにかけて守らねばならない...
そうでなければ...二度も生を受けたというのに...
君の傍にいるに足る男ではない...
そんなのは...
「…………!?」
そこで途端に眼が覚めた。
「…夢だったのか?」
そんな筈はない。左手には包帯が巻かれている。じんわり痛む所を見ると間違いなくプレシアに引っかかれたと言う事で
それは自分が虚数空間に落ちたと言う事で...晶術も使えなかったのに助かるわけが...
・・・あなた達がこの次元震に巻き込まれて虚数空間に落ちても死ぬ事はないわ・・・
(プレシア...!)
そうだ、確かにあの女はそう言っていた。
(あると言うのか?虚数空間を脱出する方法が...本当に?)
「そうだ、シャル!」
見渡してもどこにもない。
どうやらあのフェイト達と過ごした部屋でもなく、またアースラでもない。
(だとしたら...まさか、シャルだけ...)
思わず叫びそうになったー
「お探しの物はこれかい?」
突然ドアが開いて、肩幅の広い銀髪の男が入ってきた。男の手にはシャルティエがしっかり握られていた。
「シャル!ぐっ...」
「おおっと、そんなに暴れるな。まだ痛むだろ?」
サングラスもかけて筋骨隆々、見るからに凶悪そうな男だった。
だがその行動はとても紳士的だった。リオンを支え、もう一度ベッドに横にさせる。
「そんな睨むな...俺は医者だ。」
「医者...だと?」
「ああ、大切なものみたいだから返すぜ。コイツは。」
「なに...?」
見れば確かに聴診器を首からぶら下げているし、白衣も着ているその格好は間違いなく医者だった。
と言っても額の十字型の傷跡が...
百歩譲って医者だとしても『闇』医者としか見えない。
それでもありがたくシャルティエは受け取る事にした。
(おや...?)
シャルティエの刀身は念入りに磨かれていた。
普通なら感謝する所だが、こればかりはそうもいかない。
プロの鍛冶師か或いは武器職人のように剣になれている人間でなければここまでピカピカにはならない。
ますます普通の医者とは思えなくなってきた。
「これはお前が?」
「いや、俺じゃねえ。知り合いがやったんだが...お気に召さなかったか?」
「そうじゃないが...」
シャルティエが喋らない所を見ると相手は魔法関係
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