発動! MO作戦
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ば残る課題は一つ。
「はい、私から一ついい?」
手を上げたのはもっとも上席であるところに座る空母。新参の五航戦、瑞鶴だった。水上戦はこちらの海域を知っているものの方がよく分かっている。しかし、彼女の領分、空中戦においてはまた別の話である。
「どうぞ」
「私たち五航戦と祥鳳、どっちかの部隊に固められない? そっちの方が防空戦闘機の指揮とか、攻撃隊の集中とか、いろいろ都合がいいんだけど」
空母の艦載機はその空母ごとに割り当てが決められている。つまり今の祥鳳にも一定数の爆撃機は積まれている。むしろそちらの方が多いくらいだ。それを有効に攻撃に生かすには、空母三隻を一か所に固め、そこから攻撃機を出すのが確実である。そもそも瑞鶴がこれまで味わってきた勝利は、赤城が唱えたこのやり方に基づいたものなのだ。
「空母の集中運用ですか。確かに第一航空艦隊の戦果はそれによるものだと聞いていますが……」
鹿島が頭を抱えた。航空戦に関してはまだまだデータの足りない部分が多い。鹿島でなくとも、頭を抱える指揮艦は多いだろう。
「そうよ。そっちの方が防御も攻撃も安定するわ」
「でも、それだと、どちらかの隊の空母がいなくなります。そちらが敵の航空攻撃を受けた時の対処ができません」
「機動部隊の方だって、攻略部隊からそんなに離れるわけじゃない。祥鳳をこちらに入れてくれれば基地航空隊と連携してエアカバーは可能よ。どっちにしても輸送部隊についている空母なんて、敵艦隊の攻撃には使えないんだし、攻撃機が無駄よ」
「ま、待ってよ、瑞鶴」
声を上げたのは鹿島ではなく、机の中盤あたりに座る軽巡だった。
「何よ。何か問題でもあるの?」
「ないわけないでしょ。それだと攻略部隊の直掩の空母はいなくなるのよ。こっちに敵の飛行機が来たらどうするのよ。最悪、輸送部隊ごと壊滅するわ」
第六水雷戦隊旗艦、軽巡夕張。彼女の率いる第六水雷戦隊は本人含めて旧式艦ばかりだが第四艦隊の主力の小型艦隊である。今回のMO攻略部隊の中核を担う部隊の一つでもある。
「だから、無防備にするなんて言ってないわよ。基地航空隊だっているし、そもそもそっちに攻撃させないための私たち機動部隊なんだし」
「それでも、直掩の空母がいるのといないのとでは即応性が違うわ。護衛の戦闘機だって常に上空にいられるわけじゃないんだから、近くに母艦があった方が」
「どっちにしても祥鳳さんの戦闘機は艦隊を守れるほどの数はない。それなら私たちと一緒に行動して敵を確実に排除した方がむしろ安全だわ」
「わかった。仮に敵の空母はそれで排除できるとするわ。そ
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