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巣立ちの若鶴
発動! MO作戦
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らない。

 

「だ、第五航空戦隊旗艦、瑞鶴、入ります」

「同じく翔鶴、入ります」

 

 こうした会議には、大型艦である空母や戦艦はすべて参加する。重巡洋艦も参加することが多い。そして、それ以下のサイズの艦種は、「隊」の旗艦が代表して参加することが多い。そうでもしないと、一隊につき三から四隻も所属している駆逐隊や水雷戦隊が全員来ては会議室が埋まってしまう。

 

 つまり、今瑞鶴たちと一緒に会議室に入るのは時雨だけということになる。

 

「第二十七駆逐隊旗艦、時雨、入ります」

 

 三人の声に、少し間をおいて、戸の向こうからも返答が返ってきた。

 

「はーい、どうぞ、入ってください」

 第四艦隊、通称南洋艦隊の独立旗艦、鹿島の声。

 

「失礼します」

 

 三人を代表して瑞鶴が戸を押すと、細長い部屋に置かれた長大な机の両側に、すでに多くの艦娘たちが着席していた。そして、鹿島は、その一番奥、長机の短辺になるところに、一際装飾の凝った椅子に座ってた。

 

「どうぞ、三人とも腰かけてください」

 

 そういわれて、三人は各々、自分の席を目指す。特に決められているわけではないが、慣例的に大型艦は上座、小型艦は下座という形になる。時雨はすでに駆逐艦が何人か座っている入り口の近く、瑞鶴と翔鶴は、鹿島に最も近いところに用意されている空席である。

 もうすでにほとんどの席が埋まっており、空いている席はほとんどない。

 そんな中を歩いて、二人は一番奥、上座に用意された席に座った。

 

「……なんか、ずっと座ってみたとは思ってたけど、いざ座ってみると何とも言えない緊張感があるわね、この席」

「これまでは赤城さんや戦艦の方が座ってたものね。私たちの席は、よくて、三つ下だったわね」

 

 しかし、今、この場に頼れる歴戦の先輩はいない。今この地においては、五航戦こそが、まごうことなき「主力」である。この場に二人以外の大型艦はいない。

 その時、扉の外から、パタパタとあわただしい音が聞こえた。音は会議室に近づいて、扉の前でぴたっと止まると、一拍開けて、コンコンと扉がノックされた。

 

「第六戦隊、せ……軽空母祥鳳入ります」

「はーい、どうぞ。待ってたわ。入って頂戴」

 

 鹿島の答えに、会議室の扉が開いた。

 真っ黒の髪を毛先で二つにまとめた、和装の艦娘。空母の象徴ともいえる飛行甲板に当たる艤装は、今は取り外しているようだが、服の合わせ目から見えるサラシで抑えた胸が、彼女の武器が空母以外は持つことのない弓であることを物語っている。

 

 軽空母祥鳳。いわゆる改装空母
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