織斑家
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え入れる事を拒否して……」
「私は貴女に聞いていない!私は織斑千冬に聞いている!!」
私は弁護士の言葉を遮り、殺気を放ちながら織斑千冬を睨み付けながら彼女の返答を待った。
そして、彼女は遂に重い口を開いた。
「この度、愚弟の一夏が貴方方に大変なご迷惑をお掛けしました。しかし、この家を出た奴の居場所など既に無いし、許しを乞いても私は迎え入れる積もり在りません。奴など織斑家の恥でしかない!それに………」
彼女の返答は、予想していた物より酷い内容だった。
ここぞと計りに一夏に対して悪態の言葉を述べ、終いには一夏の事を『出来損ないな奴』とか『恥晒しな奴』など言う始末。
彼女は本当に一夏の事を見ていなかった。
否、彼女は一夏の事を『不出来な弟』としか見ていなかったのだ。
「血の繋がりの在る実の弟に、良くそんな悪態を付けますね?本当に姉で在るなら、彼の悩みや異変に気が付いて対処するべきではないですか?自身で対処出来なければ周りの大人達に相談するなど出来た筈ですよね?」
「ふん!織斑家には不出来な人間は不要です。ですので、奴を引き取る気が無いのなら孤児寺院なり何処かに捨てれば良い。まぁ、あんな出来損ないを引き取っても何の特も無いと思いますけどね?」
織斑千冬の最後の言葉を聞いて、私の堪忍袋が切れかけるが今は法律上、私達と一夏は垢の他人。
ならば、これ以上話し合いする必要性が無いと判断した私は、早急に終わらせる為に行動を移した。
ポケットからスマホを取り出し電話を掛けた。
「もしもし、深雪か。忙しい処済まないが、今から言う銀行口座に指定する金額を送金して欲しい。無論、私の個人口座から振り込んで欲しい」
私はそう言って、彼女達の目の前で妻の深雪に連絡を入れ、織斑千冬への振り込み先と金額を伝えた連絡を切った。
「た、達也君?もう少し慎重になった方が良いのでは?」
私の突然の行動に困惑する響子さんは、冷静になる様に促すも、私は否定する様に首を左右に振った。
「大丈夫ですよ、藤林先生。これ以上、彼女達と話し合いを行う必要性が無いと判断した為です。織斑さん、既に貴女の銀行口座に振り込まれていると思いますので確認して下さい」
自身の銀行口座を確認する様に促し、彼女はスマホから自身の銀行口座を確認する彼女は一瞬だが、口元を緩めて笑みを浮かべた。
「確認出来た様ですね?これで、今後は一夏君を私達の養子として迎え入れます…………」
書面にサインと捺印した後、響子さんも用意していた書面を彼女達に差し出し彼女達にサインと捺印をさせた。
五反田家と同じ様に、一夏に対する今後一切の接触や関与する事を禁止する内容の書面。
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