爪編:トークルームV
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しものことがあればGVが悲しむ。もっとお前は自分の命を大切にしろ…お前の命はお前が思っている以上に大切に想われているんだ」
「……はい」
俺が説教をしていると言うのに、説教をされているオウカは何故か嬉しそうに微笑っていた。
「説教をしているのに何故笑う?」
「いえ、自分を想ってくれる人がいるのって…こんなにも嬉しいことなんですね…」
その言葉にオウカの身分を思い出した俺は次の言葉を言おうとした口を閉ざす。
「……そうか、なら尚のこと自分の命は大切にしろ…GVを悲しませるんじゃない……あいつにとってお前は大事な存在なんだ。これからもあいつの傍にいて支えてやってくれ…」
「はい…」
(シアンは焦りを感じた)
《たまには料理したい》
「あら、今日はGVが夕食を作って下さるんですか?」
「たまにはね?オウカは座って待っていて」
この家に来てから料理はオウカがしてくれていたけど、自分でも作りたくなる時があり、たまにこうして台所に立つこともある。
兄さんも食事を用意してくれることもあるんだけど、昔の兄さんなら考えられないことだな。
きっと兄さんもオウカのことを家族と認めて…。
「GV、余計な思考は身を滅ぼすぞ」
…それにしても…背後から強い視線を感じるんだけど…振り返ると、オウカが満面の笑みでこちらを見つめていた。
「ど、どうしたの…?」
「いえいえ、料理をするGVの後ろ姿が素敵だなあと思いまして。シアンさん達が羨ましいです」
「…茶化すのなら、オウカの分は無しにするよ」
「茶化しているなんてとんでもないです!本当に素敵なんですって」
「………おい、仲が良いのは結構だが、夕食を早く作れ。」
「あ、うん…」
(シアンは焦りを感じた)
《シアンの料理》
机の上にノートが広げっぱなしになっており、シアンが読んでいた…。
「シアン、駄目だよ。オウカの私物を勝手に見たら…」
「あ、GV…お兄さん」
「献立表かそれは?」
「…私ね、テーラちゃんと料理の勉強してた時、栄養について少しだけ調べたことがあるの。この献立、ビタミンもミネラルも、カロリーもちゃんと考えられて…オウカさんがGV達のこと、どれだけ大切にしてるか…分かる…」
「それで勝手に沈んでいたのか…馬鹿馬鹿しい」
「う…」
「兄さん…」
「お前とオウカでは過ごしていた環境に差がある。お前より3年生き、ちゃんと学べる環境にいたオウカとでは差があって当たり前だ。オウカのことを羨む暇があるのなら努力をしろ…努力もしないで羨むのは馬鹿のすることだ…才能がない訳ではないんだ…やれば何時かオウカのような料理も作れる…だろうな恐
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