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偽装結婚シリーズ
腕の中の天使の話
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『腕の中の天使に祝福を・1』

「うふふ。可愛いなぁ……。ふっくらしていて、触ったらぷよぷよしてるし……」

 相好を崩しながら、腕の中で眠っている赤ん坊を見つめる。
 相当だらしない顔をしているだろうと言う自覚はあるが、誰も何も言わないで欲しい。

 なんたって、待望の初孫なのだ。
 それも可愛らしい女の子! これを愛でないで誰を愛でる、と誰彼構わず啖呵を切りたくなる程可愛いのだから。

「綱手、綱手かぁ……。なら、つーちゃんだね。こんにちは、つーちゃん。おばあちゃんですよー」

 そっと囁きかけてやれば、腕の中の赤ん坊が二重まぶたのぱっちりとした栗色の目を見開いて、にぱと笑いかけてくれる。
 なんなのこの子……、めっっちゃくちゃ可愛い!!
 思わずにやける口元を抑えて、無言で床をバンバン叩く。腕の中に綱手がいなければ、絶対に身悶えしていたと断言出来る。

 破壊力が抜群すぎるよ、この子。もう孫の可愛さにノックアウト寸前です。

「可愛いなぁ……。早く大きくなればいいのに、そうしたら一番最初におばあちゃんと呼んでくれないかなぁ」

 ぷにぷにとしたほっぺたを突つけば、紅葉の様な小さな掌が私の人差し指を掴む。
 子供を生まれた時はそれはそれで嬉しかったが、孫の可愛さはそれ以上だよね。

 特に綱手の可愛さと言ったらもう……!

 天にも昇ってしまいそうな心地とはまさにこの事だろう。
 腕の中の小さな天使が愛おしくて、意図せずに微笑みが零れ落ちる。

 大きくなったらこの子は何をするんだろう?
 将来はどんな人を好きになるんだろう?

 初孫の未来を予想するだけで心が弾んで来る。
 まあ、何にせよ幸せになってくれたら私としても言う事は無いけど。

「――……随分と緩み切った表情だな」
「だって、可愛いんだもの。愛しい者を愛でて何が悪い」

 ねー、と綱手に同意を求めれば、鈴を転がす様な可愛らしい声が上がる。
 ……この子なら目の中に入れても痛く無さそうな気がして来た。

 むっとした様な気配がしたが、無視する。
 ああ、なんて言うか――生まれて初めて結婚した事を感謝したかも。

 首元に回される背後からの手を甘んじて受けながら、腕の中の綱手を抱きしめる力を強めた。

『腕の中の天使に祝福を・2』

 一時はどうなる事かと思ったが、存外にこの男は子守りに手慣れている様だ。
 にしても、うちはマダラと赤ん坊……つくづく不釣り合いな組み合わせだな、おい。

 思わず生暖かい目で見守っていたら、万華鏡で睨まれました。
 でもその現状に慣れてしまった自分が怖い。慣れって恐ろしいね、本当に。

「なんというか……。意外と子
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