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魔法少?リリカルなのは UnlimitedStrikers
Duel:08 旅行の用意と、早い流れ
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すが、夢のプレシアは、酷く悲しくて痛いんです。
 そして、一番変だと思えるのが、この世界の愛娘二人の関係です。

 アリシアもフェイトも居るのに……いや、居たと居るのに、愛情の掛け方を間違えたかのようでした。

 この世界のアリシアは事故で先に亡くなって、そのアリシアをモデルにフェイトが生まれたという設定でした。

 ありえない夢だと言うのに、認められない筈なのに、夢の中だということが幸いしたのか、私はそれを受け入れ、フェイトの先生になっていました。
 勿論、アルフも存在して、二人纏めて教えていました。

 現実のフェイトと同じ様に引っ込み思案で、おとなしい女の子。だけど母を想う気持ちはちゃんとあるのに、それに対してプレシアは手を上げるばかり。
 夢の中の私はその度に怒って、彼女に詰め寄りましたが聞く耳を持ちません。

 ですが、私は知っていました。夢の中だからこそなのでしょうね。夢の中の私も、それを見ていた私も知っていました。

 フェイトの笑顔と優しさ、一生懸命に向ける愛情に。揺れて、悩んで、『娘』として認めてしまいそうだったんだ、と。
 
 夢の中の私は大いに悩んでいました。

 夢の中の私が、プレシアの従順な下僕で、命令の通りにすれば。夢の中のフェイトとアルフはきっと不幸になる。

 夢の中の私が、フェイトとアルフを連れて遠くで暮らす事を選んでしまえば。プレシアは最後まで運命に裏切られたままになってしまう。

 そして、どちらにせよ。夢の中の私が存在しているだけで、夢の中のプレシアに、負担が生じ寿命を縮めてしまっていることを。
 
 夢の中の私は大いに悩んでいました。耳の先と、尻尾の毛が抜け、目の前が霞むほど強く悩み一体どうすればいいのか、と。
 しかし、結局夢の中の私はプレシアを裏切るということは出来ませんでした。

 夢の中の私には時間が少なすぎました。プレシアの心変わりを乞うには時間が少なくて、フェイトとアルフを連れて逃げたとしても、長くは生きる事は出来ません。

 だから、夢の中の私が出来たのはただひとつ。

 『強さ』を教えることでした。

 どんな時も絶望せず、悲しいことがあっても、苦しくて切なくても、立ち上がって自分の道を、信じた道を歩いて行けるように。間違いや過ちに違う、と言える強さを。
 夢の中の私も、それを見ているだけの私も祈るしかありませんでした。

 それから―――

 ――――――

「―――おや、眠っちゃいましたか」

 私の膝上には、今にも涎が零れそうなほど気持ちよさそうに口を開けて眠るアルフと、静かに、だけど心地よさそうに眠るはなの二人が居ます。

「……創作と言うには難しすぎましたね」

 今の今まで夢の中の私とプレシアの主
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