第百二十二話 関西からその五
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「こちらは後だがな」
「そうですね」
「しかしだ、まずはだ」
「四国ですね」
「あの島に兵を進める」
「じゃあな」
海賊であり水軍を統括する幸正が言ってきた。
「こっちの用意をしていくな」
「それを頼む」
「そしてな」
さらに言うのだった。
「淡路を拠点としてだな」
「讃岐だ」
英雄はこの国の名前を出した。
「あの国に上陸してだ」
「そこからか」
「他の三国を手に入れていくか」
「阿波、土佐、伊予をだな」
「そうしたい、とにかくだ」
英雄は幸正にさらに話した。
「まずは瀬戸内の東だ」
「まずは水軍を用意するか」
「この大坂や堺、神戸から水軍を送ってだ」
「淡路を中継としてか」
「讃岐に上陸してな」
そうしてというのだ。
「あの国を拠点にする」
「ではな」
二人でこう話して、そしてだった。
英雄は大坂と神戸、堺に陸のものも水のものも大軍を集結させることを命じた。大軍の集結には陸路と航路を使ったが。
十日程で武具や兵糧も含めて集結は終わった、それで英雄は思わずこんなことを言った。
「予想以上にだ」
「用意が整ったでござるな」
「全くだ、これも道を整えてだな」
「船も多く造ったからでござる」
智が英雄に答えた、二人は今は大坂城の天主閣の最上階にいてそのうえでその集結した大軍を見ている。
「それ故に」
「今の領地から十日でか」
「これだけ集まったでござる」
「そうだな、政こそがな」
「よい軍勢を育てるでござるな」
「武具の質もいい」
こちらは技術開発を行った結果だ。
「十万の大軍で攻めるが」
「その十万の大軍がでござる」
「瞬く間に集まったな」
「そしてでござる」
これからというのだ。
「攻めるでござるな」
「そうだ、ではな」
「出陣でござるな」
「今からな」
こう言ってだ、実際に英雄は今度は船に陸の軍勢を乗せていってだった。
瀬戸内の湖を一気に渡りにかかった、淡路は既に彼等の勢力圏だったので中継地として使えた。だが。
上陸する讃岐は違っていた、耕平が英雄に甲板の上で話した。
「あっちはや」
「讃岐はか」
「それがし達に降るつもりはなくてな」
「戦うつもりか」
「讃岐の岸辺に勢力を張る国人達はな」
その彼等はというのだ。
「全ての兵を以てや」
「戦の用意をしているか」
「湖の方でもな」
「わかった、それならだ」
敵が戦を選んだ、それならというのだ。
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