第七章
[8]前話
ここでだ、老軍人は笑ってすぐにこう言った。
「いや、検索はよそう」
「それはですか」
「そうだ、人の過去や素性は軍務以外では検索しない」
「それが貴方のお考えですか」
「わしの職業は戦士だが」
それでもとだ、ワインをぐいと飲みつつ話した。
「騎士道、軍人の魂は忘れてはならない」
「だからですか」
「君達のことは聞かないしだ」
それにと言うのだった。
「考えることも止めた、君達は素晴らしい冒険者で仲間だ」
「貴方のですか」
「最高の仲間だ、これで我々は別れわしは隠居生活に戻るが」
それでもというのだ。
「また機会があればな」
「何処かで、ですね」
「会おう」
老軍人は坪内そして田山に話した、そうして二人と別れ故郷に戻った。
老軍人と別れた二人はその足でカルタゴに戻った、すると坪内は田山を牛鍋屋に連れて行った、そこでだった。
すき焼きを軸に牛肉の刺身に漬けもの、卵焼きに冷奴も頼みデザートは羊羹にし日本酒も忘れなかった、そういったものを注文してだった。
乾杯してから飲んで食べていると坪内の後ろにあるものが出て来た、それは何かというとすぐに坪内の心の中に言葉が語り掛けてきて彼に教えてくれた。そして彼はその言葉をそのまま向かい側の座布団に台を挟んで座っている田山に話した。
「名馬三日月や」
「その馬がか」
「私の新しい神具や」
「ええ馬やな」
「まあ部屋の中やからすぐに隠すが」
こう言うとその瞬間にだった、見事な毛並みで立派な体格の馬は姿を消した。この時にまた、と人の言葉を出した。
「空も海も駆けて冥界にも天界にも行けるな」
「そんな馬か」
「音よりも速く駆けられてな」
「赤兎馬に匹敵するな」
「そんな馬や、そして私自身も」
坪内自身もとだ、彼はすき焼きの肉を食べつつ話した。
「神託を適えてな」
「そうしてか」
「全体的に力が一回り強うなった」
「それもよかったな」
「それでな」
坪内は今は口直しに漬けものを食べている田山に話した。
「私達星の者はこの世界を救う」
「それでやな」
「今は飲んで食べて」
ここで酒を飲んで話した。
「そしてな」
「そのうえでやな」
「次の場所に行こうな」
「そうするな」
「ああ、すき焼きも他のものも食べてお酒も飲んでな」
そうしようと言ってだ、坪内はその次に行く場所の話もした。全てが終わった後のすき焼きも酒も実に美味かった。
老軍人の奮戦 完
2019・9・25
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