第四章
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だが一時間程戦っている中で。
田山は一瞬だが妖刀の太刀筋が見えた、それまでは見えなかったがその時は見えた。それで自身の武器であり神具である役小角の杖を妖刀の横からだった。
振るって一撃を浴びせた、すると妖刀は。
その衝撃と杖そして山伏である彼の法力によってだった。
打たれた部分が粉々になりそうして。
まるでその場を覆い潰すまでの妖気が消え去った、それで田山は言った。
「見えたわ」
「太刀筋がやな」
「それで横からな」
「一撃を浴びせたんやな」
「刀は刀身自体は細い」
「それやったら横から強い一撃を浴びせると」
「壊れやすい、そこに私と杖の法力をありったけぶつけた」
「それでやな」
「その一撃でな」
まさにというのだ。
「潰したったんや」
「そういうことやな」
「上手いったな」
坪内は笑ってこうも言った。
「ほんまに」
「まさに会心の一撃やったな」
「やったわ、もう妖刀に憑いてた人斬り剣士の怨霊も」
見ればもう妖刀は喋らず瘴気もない、そこにあるのは只の壊れた古ぼけた刀だった。砕けた破片もそこにある。
「これでな」
「消えたな」
「完全にな、妖刀もここでな」
「滅んだわ」
「実際にな、そして」
田山はここで少年を見た、妖刀に操られた少年は。
妖刀が砕けそこに憑いていた剣士の怨霊が滅ぶとその場に気絶して崩れ落ちた。だが今起き上がって。
周りを見回して呆けた様な顔で言った。
「あれっ、僕一体」
「操られただけやったみたいやな」
「そやな」
田山と坪内はその少年を見て話した、少年は二人にスサまで田山が使った移動の術で戻されてそこで精神鑑定や呪いのチェック、事情聴取等を受けたが二人の予想通り妖刀に操られているだけで無罪となった。
騒動を解決した二人は依頼を出したギルドから感謝の言葉と報酬を受け取った、その後で田山は坪内をある店に案内した、そこでだった。
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