蒼紅:第二十六話 天塔
[6/7]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
終わりでス。ソウ、あなたを同志、パンテーラの元に連れて行きまシょう…あなたの死を彼女に見せたくも、教えたくもありません…」
倒れ伏したソウに、ニケーが歩み寄るがソウはふらつきながらも立ち上がる。
「!?謡精の力で強化シたワタシのスキルに耐えた…!?」
ニケーは知らないが、これがソウの新しいプロテクトアーマーの性能である。
鞭に叩き付けられる直前に第七波動によって防御力を高めたことで致命傷を避けたのだ。
「俺のあの時の選択が…あいつを酷く傷付けたことくらい分かっている…」
「………」
「だが…GVは俺のたった1人の弟なんだ…シアンも今では俺の家族だ…だから…あいつらを見捨てることなんて出来るわけがない…」
「っ!!」
ダメージを感じさせない動きで一瞬で距離を詰めると斬?がニケーに炸裂し、ダメージを与える。
「(あそこまでダメージを受けながらまだこれ程の力を出せるなんて…これがオリジナルの紅き雷霆…そシて、何て悲シいのでシょう?彼の心ハ…本人さえ気付かないまま、様々な物に縛られて悲鳴を上げていまス…)」
幼少期は皇神の度重なる実験による憎悪によってまともな人との関わりを持てず、フェザーに救われてからもその過去から他者との関わりを持たなかったソウに短い間に少ないけれど弟以外にも大切な物が出来た。
大事な物を守りたいと言うありふれた願い。
しかし、その中には共に過ごしたパンテーラも含まれていて、守りたいのに敵対している矛盾した現状にソウの精神は本人も気付かぬうちに摩耗していく。
「縛られたアナタの心を…救済シまス…アナタを倒スことで!!」
「やれるものならやってみろ…!俺は負けるわけにはいかない…!!迸れ…!紅き雷霆よ…!お前の星の導きの力とやらを俺の紅き雷刃で叩き斬る…!!」
雷撃刃による斬撃と髪の斬撃が互いに浅くない傷を付け、ソウが髪による連撃で吹き飛ばされる。
「くっ…」
「生憎、ワタシも負けられないのでス。同志、パンテーラのためにも」
「(力が足りないのか…?何とか…奴に…)」
軌道エレベーターの方から、GVが手にした光が現れ、ソウに吸い込まれていく。
「(何だ…?この懐かしい感覚は…?俺の中で新しい力が覚醒(めざ)める)…」
「これで終わらせまス!!」
ニケーの鋭い刃と化した髪がソウに迫るが、ソウはそれよりも速く銃を振るった。
「うおおおおっ!!」
通常よりも格段に速くチャージが終了し、チャージセイバーで髪を両断した。
「チャージ速度が上がった…!?」
両断された髪を元通りに再生しようとした瞬間、ニケーには見えた。
ソウの背後にフェザーの創始者であり、GVによって倒されたアシモフの姿が。
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ