蒼紅:第二十六話 天塔
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ソウは自分にとって因縁の場所でもある軌道エレベーター・アメノサカホコに足を運んでいた。
「(またここに来ることになるとはな。ここで俺達はアシモフと戦い、倒し…完全に……とはいかないが、フェザーとの繋がりのほとんどを失うことになった場所…)」
ソウの脳裏にシアンを取り戻すために共に戦ってくれたフェザーの仲間達の姿が過ぎる。
アシモフを殺したことでもうチームを組んでいたあの2人とは会えないだろうし、会うこともない。
あの2人も本性を知らないとは言えリーダーであるアシモフを慕っていたのだから。
「ふん、あんな鬱陶しいレトロゲームマニアの馬鹿やアシモフ関連でおかしくなる変な女でも完全に繋がりが切れたとなると意外に寂しいものだな…」
昔ならば欠片も思わなかったはずの感情に、我ながら甘くなったと自嘲しながらダッシュで建物内部に侵入すると、エデンの兵士からの迎撃を受ける。
「貴様は紅き雷霆・ソウか!同志パンテーラの寵愛を拒み、我らが女神ニケーに近づく悪党め!ここから先には通さんぞ!」
「………エデンの兵士…か…あいつは部下にまで想われていたか…なら余計に手放せない…か…」
ここにいるのは恐らく下級兵なのだろうが、こういう者達にも慕われているのなら、パンテーラが手放せないのも理解出来る。
「悪いが退いてもらうぞ!!」
エデンの能力者は迫害された能力者ばかりだ。
無能力者の被害者である彼らを傷付けるのは個人的に忍びないがそうも言ってられない。
雷撃鱗ダッシュで距離を詰めつつ前方の敵を吹き飛ばし、ショットによる狙撃と雷撃刃による斬?で返り討ちにすると、ソウは辺り一面に張り巡らされている金糸を見遣る。
「これは何だ?導線…ではないようだが…?」
念のため触れて見たが質感からして導線ではない。
どちらかと言えば糸に近い。
『恐らく髪の毛だよ。エデンには髪の毛を操る能力者がいるんだ。』
『髪の毛を操る能力…GV達に比べれば地味な能力ね』
『うん、髪の毛ならお兄さん達の雷撃で簡単に燃やせそう』
「いや、肉体の一部を自在に操れる能力と言うのは案外馬鹿に出来んぞ。髪なら性質上、切れてもすぐに元に戻せるからな…」
シャッターを潜ると、広い場所に出たのだが、髪の毛の足場が至るところに出来ている。
『わっ、凄い…髪の毛が…』
『どう、シアン、モルフォ?これが地味に見える?』
『髪の毛を操る能力…地味は撤回するわ』
「とにかく、髪の毛の足場を利用して先に進むしかないな…」
足場を利用し、接近してくる敵をショットや雷撃刃を使い分けて迎撃し、真上の敵には雷撃鱗ダッシュで対応しながら先に進んでいく。
『そうだ、ソウ。近くに耐久性の低い足場がある
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