第四十話「天央祭・T」
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「はーい!オムライスの追加が入ったよー!」
来禅高校のメイドたちはまるで事前に知っていたかのように流れるように注文、料理を行う。これには彼女がここに来る可能性を考えて士道が練っていたものである。
『前にファミレスに行った時に分かってけど美亜は十香並みの大食いだ。だから彼女を引き込めさせすれば売り上げをかなり稼げるはず。それに美亜の姿を見に客が集まる。一石二鳥だ!』
とは言えこの作戦はあくまで美亜が天央祭に訪れていなければならない。それなりに火が昇ってからだったり来禅高校のブースを避けていたら大損の作戦だったが幸い彼女は開始と共に現れ来禅高校のブースの場所を知らなかったらしく偶々目の前を通ったため連行するように入店させた。後は接客のメイドたちによる料理の解説に特典(千円以上食べたらデザート無料で配布など)をちらつかせ彼女の胃に訴えかけた。
結果は士道の作戦勝ちであり彼女は駄目だと思いつつ料理のおいしさにどんどん注文をしていく。悪いと思いつつ士道は彼女が財布を覗いた時にかなりの大金を持っているのを確認していた。恐らく天央祭で食べ歩きをするつもりであったのだろう。
そのお金をどんどん落としてくれ!と願いつつライブまでの時間を頑張っていく。
途中ラタトスクの解析官で士道のクラスの副担任をしている村雨令音や四糸乃がやってきたりしていた。
そして、遠くの方から今までのにぎやかさとは違ったざわめきが聞こえてくる。暫くすると天央祭を訪れた客たちが一斉に左右にどける。その開いた道を優雅に歩てくる女性、誘宵美九の姿があった。
「おはようございます。士織さん。随分ご盛況の様ですねー。…え!?美亜さん!?」
「(やばい!気付かれた!)」
「!み、美九…」
彼女は驚きのあまり固まってしまう。そんな彼女は今来たばかりのナポリタンを食べていた様でフォークにパスタを絡ませた状態だった。
暫くの間三人の間になんとも言えない空気が流れるが一番最初に復活したのは美九だった。
「…美亜さん、先程あちらで数に制限のある特性たこ焼きが売っていましたよ」
「!本当か!す、すまないがお会計を頼めるか」
流石に一緒に住んでいるだけの事はあり美九は彼女の事をよく知っていた。呆気なく士道の作戦は失敗してしまったがここからだと気合いを入れなおすのであった。
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