第23話
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話で、今気にしても仕方ない。確実なのは、マ・クベの殺人的業務量に付き合わされるのが自分だけではなくなるためウラガンの負担が軽くなるということだ。素晴らしい未来といえる。
地球侵攻軍総司令部の予定表と主要幕僚の予定表を確認しながらウラガンは口を開いた。
「司令、新型モビルスーツというと、ジオニックではなく……」
「ツィマッドのものだな。独立重駆逐戦闘団で試験運用していたものだ」
平然と答えるマ・クベだが、これは事前に用意されたカバーストーリーだ。実際は今次大戦の開戦前からリリアナとツィマッドの間で開発が進んでいたもので、マ・クベでさえ存在を知ったのはごく最近だ。リリアナとツィマッドの独自開発などとは口に出せないため誤魔化している。
「模擬戦でザクUを圧倒したらしい。レンチェフの操る試作機が先日派遣した選抜組のザクと3対1で、勝負にもならなかったそうだ」
そう告げられたウラガンは、驚きのあまりキーを一つ叩き損ねた。新型の試作機とはいえ、ザク三機を同時に相手取って圧倒するなど、俄には信じがたい。たとえ乗り手のレンチェフ大尉がエース級のパイロットだとしても、だ。打ち間違いをいつもの仏頂面で修正する。
「こちらのパイロットの腕に問題があったわけではないのですね?」
ウラガンが口にするそれは誰もが思い付く可能性だが、その可能性はマ・クベの返答に粉砕された。
「三人は、確か、ニムバス・シュターゼン、シン・マツナガ……ヴェルナー・ホルバイン、だったか」
人事は地雷。ただし核地雷だったようだ。
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