第23話
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ジオン公国による第二次降下作戦が全体目標を達成しつつあるころ。ジオンの壺マニアことマ・クベ中将は、執務室で優雅にティータイムを楽しんでいた。
テロリストの『無差別』破壊活動により北米に駐留していた地球連邦軍は大損害を被った。その混乱や劣勢を立て直す間を与えること無く、大量の補充を受けたガルマ・ザビ大佐率いる北米方面軍が大攻勢に出たことで、遂にニューヤークは陥落。地球連邦軍の残存部隊の主力はフロリダ半島から南米に脱出しようとしたが、折悪しく発生したノーイ―スターで海路を絶たれて孤立した。地球連邦軍の回収部隊は主力部隊と合流を図ったものの、海が大荒れに荒れて接岸出来なかったのである。沖合いから機を窺っていたが状況は回復せず、そうこうしている内にジオン公国の北米方面軍が地上部隊に追い付き、これを包囲。波に揺られる回収部隊は主力部隊が降伏するのをただただ眺めることしかできなかった。
その後の掃討戦、制圧戦で、各地に散った地球連邦軍の北米駐留部隊は各個撃破され、ごくごく一部の部隊が中米から陸路で南米に脱出するに留まった。結果的に地球連邦軍は旧アメリカ合衆国系の精兵のほとんどを失ってしまったことになる。
「これほど上手くいくとはな。天候不順という天の機、半島という地の利、勝つべくして勝ったということか」
嫌味なほどに自慢になるので声に出すことはないが、最大の要因は指揮下の三割の戦力を増援として送り込むことでなし得た人の和であろう。即ちマ・クベの決断で第二次降下作戦は成功したのであるから、多少の不都合があっても気にせず紅茶を楽しめるというものだ。
欧州方面も概ね順調だ。欧州方面軍はマ・クベ自身が統括する予定だったがこれを改め、欧州方面西方軍と欧州方面南方軍に再編成。ユーリ・ケラーネ少将が西軍を統括し、ノイエン・ビッター准将が南軍を統括し、二方向から独自に攻略を進めている。欧州方面軍を完全に部下に任せたため、マ・クベの直接の指揮下いるのは、オデッサ近辺の部隊、アジア・インド方面軍の残余の部隊を残すのみだ。それすら書類上の話で、実際の部隊の多くは定数割れどころか再編成の結果として消滅している。
ユーリ・ケラーネ少将の西軍、ノイエン・ビッター准将の南軍、ガルマ・ザビ大佐の北軍に戦力が分割されたため、マ・クベはあくまで地球侵攻軍の総司令官としてオデッサ基地で全体の調整をすることが主な仕事となるだろう。とりあえず軍司令官としては階級が低過ぎるため、ガルマ大佐は北米攻略完了に合わせて、つまり近日中に准将になる。その後、欧州攻略完了と共に地球侵攻軍の再編成が追認され、主だった司令官が昇進する予定だ。ユーリ・ケラーネ少将は中将に、ノイエン・ビッター准将は少将に、ガルマ・ザビ准将(予定)は少将になる。当然、マ・クベ中将も昇進して大将になるだろう、と言われてい
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