グランバニアの食文化と宰相閣下の扱い方
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なく全部……しかも大量に!」
「はぁ〜……色んな意味で凄い家系だな」
「私を見て言うな!」
解っていた事ではあるが、それでも笑ってしまうコリンズ。
「あれ? 君は両方とも食べた事あるのに、あまりラインハットで布教しようとしないね……何で? 美味しいんでしょ両方とも」
「美味しいわよ両方共ね。でもねお父さんが考案した事だから……」
「尚のことだろ? 君だってある種のファザコンじゃないか」
「そうよ、私もお父さん大好き娘よ。でもねリュリュと違って私はお父さんを理解してるの。自身が考案したモノを世界に自慢する様な人じゃないの。それを解っているから、私は自然に世界へ流行るのを待っているの。『私のお父さん凄いのよ。皆も食べてね?』なんてしたら、間違いなく嫌がるからね」
「……なるほど。アンダーラインまで引いて配ってる娘が……なるほど」
「恥ずかしい限りよ」
『私のお父さん凄いのよ。皆も食べてね?』な行動をしている娘を慮り天を仰ぐ夫婦。
「でもまぁ……美味しいのなら俺も食べてみたいなぁ」
「じゃぁ今度食べに行く? 丁度サラボナのルドマンさんが、グランバニアが発明した新兵器の視察に行くって言ってたじゃない。お義父様も行くみたいだし、それに同行する形でグランバニアに行って空いた時間にウルフに奢らせましょう」
「何で、さも当然の様にウルフ宰相に奢らせようとするんだよ?」
「あら。ラインハット王太子殿下は知らないでしょうけど、ラインハット王太子妃は給料を貰ってないからお金なんて持ち合わせてないのよ。でもグランバニア王国のナンバー2である宰相閣下なら、捨てるぐらいお金を貰ってるでしょうから、消費する手伝いをしてやろうって事よ」
「なんて言い草だ。ウルフ君キレるぞ」
「あんなヘタレ、怖くないわ」
国際問題にならないのが不思議だと思いながら、妻には逆らえない夫は大人しく状況を見守るのである。
間違いなくグランバニア宰相と言い争いをする未来を想像しつつ……
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