グランバニアの食文化と宰相閣下の扱い方
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ワサビという香草を摺りおろしたモノを間に挟むのだが、想像しているより臭みなど無いのである』
「俄には信じがたいな……」
「私も最初はそう思ったわ」
冊子に書いてある通り顔を顰めるコリンズに、優しく否定を入れるポピー。
『この寿司には数多くの種類があり、上に乗せる食材(この食材の事を“ネタ”と言う)で注文する。マグロ・サーモン・真鯛・アナゴ等々あり、また別の形態ではあるがイクラ等を酢飯の上に乗せ溢れない様に海苔と呼ばれる海藻を紙の様に広げ乾燥させた食材で包む寿司も存在する』
「魚介類の種類によって形態も変わるのか……」
「そこには書いて無いけど、海苔と酢飯でネタを棒状に巻いた寿司もあるわよ」
寿司経験者の妻に感心するコリンズ。
『さて……次の食文化を説明しよう。次の食はラーメンと言う名でグランバニア王国内に浸透している食べ物だ。これも食材の内容によって多数の種類に分かれるのだが、ラーメンも他には無い独特の食文化である』
「ラーメン? これも聞いた事無いなぁ」
「そりゃそうでしょ。グランバニア発ですから」
妻の言葉に“まあそうか”と納得しながら冊子を読み進めるコリンズ。
『このラーメンと言うモノは、その食し方に些か抵抗を感じる食べ物だ。説明すると、小麦粉を主成分に卵等を練り込み仕上げた生地を細く裁断しパスタの麺の様にする……そしてその麺を各種スープに入れて食すのだ。そのスープが醤油仕立て・味噌仕立て・塩仕立て・豚骨仕立てと様々ある。味は人それぞれ好みが分かれるだろうが食べ方は共通で、ホークやスプーンの代わりに箸と呼ばれる二本のステックを駆使して、麺にスープを絡ませて口に入れ、そして勢いよく啜るのだ!』
「え、啜るの!? 下品じゃ無いかな?」
「他の食事だったら下品よね。ズルズル音を立たせるからね」
本日2回目の顔を顰めさせ、ポピーの説明を聞く。
「ラーメンはそういう食べ物なの。食事マナーは一辺倒じゃ無いって事よ」
「なるほど……流石はグランバニア。既存のマナーは通用しないか。ポピーの故郷だけあるな(笑)」
ディスる様に褒め、続きを読み始める。
『何故今回、この2つを紹介したかというと、この両方が同一人物によって考案されたモノだからだ。その人物というのが……何とグランバニア王国の現国王であるリュケイロム陛下によって発明されたのである!』
「凄いな……でも誰? ここにアンダーラインを引いたのは?」
「リュリュに決まってるでしょ。大好きなパパの偉大なる偉業を解りやすくして、大量にこの冊子を配り歩いているのよ……恥ずかしい」
「彼女らしいけど、配る全部の冊子にアンダーラインを引いてるのか? 先刻父さんにもデール陛下にも配ってたけど……」
「根が真面目な娘だからね。間違い
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