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遊戯王BV〜摩天楼の四方山話〜
ターン15 暗黒の百鬼夜行
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の柱を破って飛び出したガンマンがぽっかりと座席の空いたニゲ馬車へと乱暴に着地する。手綱を引くものが現れて再びその目に光の宿った魔界の馬たちが威嚇すると、狙いに迷ったドラッグウィリオンが1瞬その動きを止める。

 魔界劇団−ワイルド・ホープ 守1200

「それで防いだおつもりですか?構いませんよ、ドラッグウィリオン。そのまま攻撃しなさい」
「『ですがニゲ馬車によって付与される体制により、魔界劇団は1ターンに1度ずつ戦闘によっては破壊されません!』」

 オルターガイスト・ドラッグウィリオン 攻2200→魔界劇団−ワイルド・ホープ 守1200

「承知の上ですとも。では、九尾の狐で連続攻撃。そして墓地より黄泉帰った九尾の狐は、守備モンスターに対する貫通能力を持ちます」

 まるでそれぞれが意思を持つ槍であるかのように、妖獣の硬質化した伸長自在な9本の尾が迫る。ワイルド・ホープもニゲ馬車の手綱を操りどうにか回避にかかるものの、この場所は広いステージではなく狭い廊下である。辛うじて上から振り下ろされた3本を回避したところで勢い余って壁に激突し、頑丈なニゲ馬車には傷ひとつついていないものの、派手な破砕音と共にあっさりと大穴の空いた壁の向こう……かつて閲覧室だったのであろう大部屋へと戦場は移った。
 普段ならばいくら取り壊しも近い建物とはいえ、器物損壊に顔を青くするであろう状況。しかし鳥居は今、それどころではなかった。気づかぬうちに伸びていた4本目の尾がワイルド・ホープの体を深々と貫き、それと同時に彼自身の腹部にも槍で貫かれるような激痛が襲っていたのだ。

 九尾の狐 攻2200→魔界劇団−ワイルド・ホープ 守1200(破壊)
 鳥居 LP4000→3000

「『ぐはっ……!?こ、これは……!』」
「素晴らしいでしょう?彼女から話は伝わっているとは思いますが、これが我々の独自開発した最新式「BV」ですよ」

 最新式「BV」。その言葉に彼の、裏デュエルコロシアム後に糸巻から聞いた記憶が呼び起こされる。これまでとはわけが違う痛みをデュエリストにもたらす、デュエルポリスの開発した対「BV」妨害電波の通用しない新たなブレイクビジョン・システム。
 そして派手な破砕による瓦礫の向こうからゆっくりと彼を追いやってきた巴が、ニゲ馬車から転げ落ちて床に膝をつく鳥居を冷淡な目で見降ろしたままに語り掛けた。

「その様子ですと、随分と気に入って頂けたようですね。前回行った彼女との試験使用の際は途中でシステムがダウンするという失態を冒してしまいましたが……今回は、あの時のような無様はさらしませんよ」
「……なるほど、こりゃ糸巻さんの言った通りっすね。こんなもん、間違っても世に出せる、わけがない……!」

 エンタメモードの口調を忘れ、
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