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砂金運び
第三章

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「僕等がいますから」
「だからですか」
「これといって」
 特にと言うのだった。
「心配することはないです」
「それは何よりです、巨人軍というと」
「悪質なテロリストですね」
「はい、よりによって巨人達を崇拝して」
 そうしてというのだ。
「破壊を至上の目的とする」
「とんでもない連中ですね」
「何であんな連中がいるのか」
「世の中おかしな人はいますさかい」
 それでとだ、李は商人に話した。
「そやから」
「ああした連中もですか」
「います、そして」
「この半島にもですね」
「います、まああれです」
「あれとは」
「世襲制の独裁者もいますし」
 李はついつい自分達の世界から例えを出したが言った瞬間こちらの世界にあの独裁者がいないとは気付かなかった。
「そうですさかい」
「世襲の?」
「あっ、何でもないで」
 ここで気付いて引っ込めた。
「気にせんで下さい」
「そうですか」
「はい、とにかく世の中色々な人がおって」
 自分の言葉を訂正しつつ話した。
「特にです」
「考えることはですか」
「ないです、出て来るとは限らなくて。それに」
「それにとは」
「出て来ても倒す」
「そうしますか」
「大丈夫ですよ、冒険者が多くいますから」 
 護衛の自分達がというのだ。
「そうですさかい」
「そういえばお三方はレベルが」
「まあ色々冒険してますと」
 素性を隠したまま話した。
「自然となりました」
「レベルのことは」
「はい、まあとにかく巨人軍が出て来ても」
「貴方達がですか」
「何とかします」
「そうしてくれたら何よりです、私春川に行くのははじめてで」
 商人は今度は自分のことを話した。
「それで」
「何かあるとですね」
「困りますので」 
 それでというのだ。
「何もない訳にはいかずとも」
「無事にですね」
「仕事をしたいので」
「わかってます、では」
「はい、この度は」
「キャラバンの皆さんも砂金も他の冒険者の仲間も」
 その全てをといだ、李は笑顔で約束した。
「守らせてもらいます」
「お願いします」
 商人は李の言葉をここまで聞いて笑顔で頷いた、そうしてだった。
 彼等の護衛を受けてまずは春川の金山に行きそこで十台位の馬車全てに砂金をたっぷりと入れた袋を堆く積んでだった。
 ソウルへの帰路についた、ここで李は二人に言った。
「モンスターはともかく」
「賊と巨人軍はな」
「いよいよやな」
「出て来るな」
「金を狙って」
「そうしてくるな」
 二人もこう応えた。
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