第六章
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三人は依頼を果たしたことでギルドから感謝の言葉と報酬を受けた、黄と李は長い旅もこれで終わったと思ったが。
ナツァグドルジはその二人をウランバートルの居酒屋、モンゴルでは街自体少ないのでやはり少ないその店に入ってモンゴル料理をご馳走した。そのメニューはというと。
羊のチャナサン=マフつまり茹で肉にやはり羊のホルホグである蒸し肉に羊のヒャムつまりハムに羊と麺類のスープであるゴリルタイ=ショル、固形の乳製品のアーロール馬のものにデザートオレンジを注文し酒はアイラグつまり馬乳酒を頼んだ。
そのうえで乾杯して飲んで食べていると彼のその手にあるものが宿った、ここで心の中で言ってくる言葉がありナツァグドルジはその言葉をそのまま黄と李に話した。
「これは元朝秘史や」
「それが自分の新しい神具やな」
「そや」
心の中に語って来る言葉をそのまま話した。
「政治力を飛躍的に高めてくれる」
「そうした神具か」
「そや」
ナツァグドルジはチャナサン=マフを食べつつ黄に答えた。
「今度の神具はな」
「それはまたな」
「ええやろ」
「政治家の自分に相応しいな」
黄はアーロールを食べつつナツァグドルジに彼の職業から話した。
「それはまた」
「そやろ、それでな」
黄色はさらに話した、心の中に語り掛けてくる言葉は続いていたのでそれをそのまま二人に話していった。
「神託を適えて僕自身な」
「どうなりました?」
「全体的に一回り強うなった」
「それは何よりですね」
「ほんまにな」
ホルホグを食べる李にも言った、それも笑顔で。
「万々歳や」
「そうですね」
「ただ」
「ただ?」
「神託を適えられてよかったけど」
ナツァグドルジは二人にこうも言った。
「それでもな」
「ああ、それで終わりか」
「幕引きになるか」
「物語はここで終わりやけど現実は続くもんや」
それでとだ、アイラグを飲みつつ話した。
「ずっとな」
「そやからやな」
「ここで立ち止まることなく」
「先に進む」
「そうするんやな」
「僕等の目的はこの世界を救うことや」
だからだというのだ。
「それでや」
「これからもやな」
「働いていきますね」
「そうする、そやから飲んで食べた後は」
それからというのだ。
「次の場所に行くで」
「わかってるわ」
「ほなまずは飲んで食べるか」
「そしてそのうえで」
「その後で」
「出発や」
ナツァグドルジは馬人の顔を笑顔にさせて言った、そうしてそのうえでまたアイラグを飲むのだった。馬の乳の酒は実に美味かった。
黄金の羊 完
2019・9・22
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