第四章
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「してへんわ」
「そうなんか」
「そっちの方は」
「そや、あのお嬢様自分のことはな」
身の回りのことはというのだ。
「何でもするさかい」
「それでか」
「黄さんはメイドのお仕事はですね」
「今回何もしてへんわ」
「それはメイドとしてはな」
「少し、ですね」
「意外や」
どうにもと言うのだった。
「ほんまに、けどな」
「それでもやな」
「そちらが暇でもですね」
「正直戦闘に忙しいしそうしたお嬢様もおるってことで」
自分と身の回りのことは全てする、というのだ。
「今回はやってこな」
「何だかんだでもう台南や」
ナツァグドルジはコップの中のビールを飲みつつ話した。
「もう後半や」
「そやからやな」
「後はな」
「台北までやな」
「気を抜かんで」
そうしてというのだ。
「やっていこうな」
「そやな、しかしな」
「しかし?」
「いや、メイドの服を脱いで」
ここで黄は自分の胸を見た、身体つき自体は結構逞しい。胸もだ。
「そうしたらな」
「毛皮も着てへんしな、今は」
「何か完全に男になったわ」
「そうした気分か」
「髪の毛はともかくな」
そちらは下ろしている、女性的な奇麗なものだ。
「身体はな」
「それはやな」
「自分でも思うわ」
「男の娘でもやな」
「やっぱり僕ちんの身体はな」
「男やな」
「それは思うわ、けれどな」
身体は男でもというのだ。
「心はな」
「ちゃうか」
「男の娘や」
笑ってこう言った。
「女の子でもないで」
「心は女の子とかは言わへんねんな」
「それはない」
きっぱりと断った返事だった。
「それはな」
「そやねんな」
「ああ、僕ちんの場合はない」
それはというのだ。
「それはな」
「そうか、これからもか」
「そうしてな」
男の娘としてというのだ。
「やってくわ」
「そういうことやな」
「ああ、ずっとな」
「そうか、ほなな」
「そうしてくわ」
こうした話をしながらだった、三人は執事と共に強いがおしとやかで優しい令嬢の護衛をしていった、確かに彼女は柄の悪い者にやたら襲われるが。
黄達星の者三人と執事の護衛に令嬢自身の強さもかなりで。
ならず者達をものともせず旅を続け遂にだった。
台北の袁家の屋敷に着いた、ここで黄は執事に言った。
「無茶苦茶犯罪者に遭いました」
「左様ですね」
「いつもこうですか」
「外を歩けば」
まさにというのだ。
「お嬢様のカリスマで」
「それがお嬢さんの体質ですね」
「ご兄弟の方々もそうですが」
「お嬢さんも」
「人に好かれますが」
それでもといのだ。
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