暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少?リリカルなのは UnlimitedStrikers
Duel:02 Innocent StrikerS
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雲は眩しくて。

 ―――初めて空を飛んだ日を思い出した。

 ふと、足元が……というか、全体的にスースーするなぁと思って見下ろしたら。両腰に暁鐘と晩鐘が携えているけれど、それよりも黒色のブーツにカーゴパンツ、黒いフード付きのノースリーブ……というか、和服要素何処にも無いのはなんで?

 ……うん。

『響可愛いー』

「……う、ぅるせぇ」

 誰が言ったかわからないほど、頭の中が固まる。というか羞恥のあまり顔が熱い。

「よぉーし、頑張るぞー!!」

 ふと、声が聞こえたほうを見て、再度固まる。青い髪の少女がこちらに向って一直線で突っ込んでくるのが見える。だからこそ余計に固まる。
 何だろうあのフェイトの色違い、と。
 だが、顔立ちはフェイトを幼くしたような子だけど、それ以上に……。

「はっや!?」

「にっ!」

 思ってた以上に速くて驚く。フェイト並……とは言わんけど、体が縮んでる分、体感的に速く感じるのか。
 ……だが。

「対応、圏内ッ!」

 瞬間、バルディッシュさんに似たデバイスと刀がぶつかり合い交錯。互いのデバイスが弾かれる。その間に一旦距離を取って、二刀を抜き構えて―――

「もらったぁ! 光翼斬!」

 距離を取ったはずが、いつの間にか懐まで踏み込まれ、青いハーケンフォームで振り上げられる。
 だが、僅かに背後に下がって、間一髪でそれを回避。

 ここでちょっと震離を恨みたくなる。何が楽しいから戦ってみなよ、だ。結構ギリギリなんですけど!? 
 元々イレギュラーなスタイルとは言え、こうも簡単に詰められるのは想定外なのと。

 全体的にスースーして……めっちゃ落ち着かなくて。

 なんというか、なんというか。

 もう、どうにでもなれと。

 踏み込んで一打を叩き込もうと刀を振り下ろすと同時に、青いフェイトは一瞬で俺の背後を取る。それに合わせて踏み込んだ勢いのまま最大速度と歩法を駆使して、動きに揺らぎを加えて。更に背後を取ろうと回り込んで。
 
 ……絶句した。

 こちらの動きに追いつかんと、互いに高速戦を、純粋速度による高速機動と、加速減速の緩急を使った高速機動の対決となってしまった。二刀の閃と、青いハーケンが斬り合い、交錯する。
 だが、全体的に出力不足なのだろう。斬り合う事にその衝撃で俺のジャケットが少しづつ削られ、千切れていくのが分かる。

 思わず舌打ちしてしまいそうになるのを堪えながら、一打一打を丁寧に捌き、この速度と威力に慣れていくことを優先する。フェイトが技術系の人ならば、この子は純然たる力を持って叩き込んでくる。
 それは、技術とかそういうのを叩き潰す暴力的なまでの力。

 正直、一番苦手なタイプだなぁと。

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