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蒼と紅の雷霆
蒼き雷霆ガンヴォルト爪
蒼紅:第十九話 安穏
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はショックを受けたような表情を浮かべている。

「そうか、まあ…元の組織でも頑張るんだな」


「君にはシアンのことで本当にお世話になったよ…本当にありがとう。」

彼女には沢山助けられたことにGVは感謝する。

「テーラちゃん…本当に行っちゃうの?」

「はい、私には私の帰りを待ってくれている仲間と家族達がいますから………これ以上ここにいると決心が鈍りそうなので…」

テーラの小さな呟きは誰にも拾われることはなかった。

「テーラさん、寂しくなりますね…」

「オウカ…お世話になりました。全ての無能力者があなたみたいな人ばかりならと思いました…あなたの未来に多くの幸福があることを願っています」

自分の敵意に気付いていたのに臆せずに接してきた彼女にテーラは敬意を抱いて接する。

「お世話になりました…皆さん、本当にありがとうございました。どうかお元気で」

それだけを言うとテーラは屋敷から去っていった。

「テーラちゃん…」

シアンにとって家族と言えた少女がこの場を去ってしまったことは少なからずショックを与えた。

「シアン…」

「別れは何時でも起きる。テーラとの別れもそれだ…だが、二度と会えなくなるわけでもない。生きてさえいればまた会える」

「お兄さん…うん」

シアン達はテーラの後ろ姿が見えなくなるまで見つめ、そしてテーラは人気のない場所に辿り着くと仲間達に通信を送る。

「テンジアンお兄様、G7のみんなも…聞こえますか?」

『ああ、聞こえているよパンテーラ…アスロックとニムロドはここにはいないけどね』

テンジアンと呼ばれたテーラ…パンテーラの義兄は通信に応えた。

「そうですか…少々予定が狂いましたが、皇神において最も厄介な紫電は倒れ、宝剣や皇神の能力者関連の技術を持ち出すことにも成功しました。」

『そうか、君も無事で何よりだ……そちらで何かあったのかい?以前より良い表情をしている』

「…こちらで沢山の出会いと経験をした…からですねきっと…お兄様、私達エデンの創る未来のことで若干の修正が必要になるかもしれません。」

『どういう意味なんだ?』

パンテーラはテンジアンにソウとの会話の内容を話した。

『成る程…確かに能力者同士の子供には無能力者が生まれることもある…無能力者の完全排除には大きな問題だ。』

「はい、そこで私は能力者同士の間に生まれた無能力者を受け入れようと思います…私達は人間です。生まれた子供が無能力者だからと迫害しては、それでは私達も私達を迫害した無能力者と同類となってしまいます…」

『確かにそうだ。我々は奴らとは違う』

迫害の苦しみは誰よりも理解出来るからこそ、パンテーラの言いたいことは理解出来る
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