蒼き雷霆ガンヴォルト爪
蒼紅:第十九話 安穏
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癒してくれている。
「弟を支えて、慕ってくれている女を無能力者と言う理由で無下にするほど、俺も鬼ではないしな」
流石に自分達だけではGVの傷付いた心をここまで回復させることは出来なかった。
弟を救ってくれたことを深く感謝している。
「優しいのですね…ソウ…全ての無能力者がオウカのような人ばかりなら…」
「第七波動の有無は大きい。第七波動があれば必然的に無能力者より出来ることが多くなるからな…個人ならまだしも集団となると厳しい。人の数が増えれば増えるほどに様々な思考を持った奴が現れる。俺とお前のように無能力者を憎む存在。GVとオウカのように分け隔てなく接する存在…そういう様々な思考を持った奴らが団結するには明確な理由が必要になる。」
「理由ですか?」
「そうだな、例えば今更だがテーラ。人殺しは罪となることは分かるだろう?」
「はい」
「しかしそれらを教えられても殺人は起きる。無能力者と能力者関係なくな…それはしてはならない明確な理由がないからだ。ただ教えられても完全な理解は出来ん。この国で能力者が多少の不便はあっても生活が出来ているのは能力者の有益さがある程度理解されているからだろう。頭には来るがな」
「…………」
「だが、このままでは無能力者と能力者の問題は何時までも付きまとうことになるだろうな。例えどちらかが滅んだとしても」
「え?」
その言葉にテーラは目を見開いた。
「例え今の無能力者が滅んだとしても能力者同士の間に無能力者が生まれてくる可能性も低くはない。実際に無能力者同士で能力者、能力者同士で無能力者が生まれてくるからな…お前の組織は無能力者の殲滅を目的としているようだが、そういうことは視野に入れているのか?」
「…いえ、無能力者の殲滅を優先し過ぎてそういう所に考えが回りませんでした」
「…難しいものだな、無能力者がどれだけ憎くても無能力者からは逃れられない」
「……私達が憎むのは愚かな現在の無能力者です………少し…考えなくてはなりませんね(そろそろ計画を進めても良いでしょう…出来ればソウやGV達にも仲間になってもらいたいのですが…それは…難しいでしょうね…)」
そうして残りの時間が迫ってくることを感じながらテーラもまた食事に向かうのであった。
「美味しい…」
オウカの料理を口にするシアンは美味しい料理に表情を綻ばせる。
「そうですか、良かった…」
「あ、でも…この料理…味付けを変えたのかな?」
「はい、少し調味料を変えてみたのですが…」
「凄く美味しいよ、勿論前のも美味しかったけど…」
「………」
シアンは複雑そうにGVとオウカを見ていた。
自分はオウカのようなお腹も心も満たされるような料
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