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魔法少?リリカルなのは UnlimitedStrikers
第76話 ドッペルゲンガー
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分かる。それが尚の事怖い。

「……まぁ、リュウキは放っといて……あのなのはさん。そちらの黒髪の子は?」

 やめてアーチェさん。藪蛇突かないで……。

「へ、あー……なんて言えば良いんだろう。信じてくれるかどうかによるかなーって」

「うん? それはどういう? ってか、リュウキいい加減頭上げて、それだけで空気が重くなるから」

「うっす」
 
 促されるまま顔をあげるけれど……相変わらず恐くて直視出来ねぇっす。

「あー、その何だ」

 視線の端っこで黒髪の子が恥ずかしそうに頬を人差し指で掻きながら。

「緋凰響と同一人物だって言われて……信じる?」

「「……え?」」

 思わず黒髪の子とばっちり目が合いまして……、よくよく顔を見て、何処と無く響を幼くしたようなそんな感じの子。それこそ、アイツに子供が出来たらあんな感じになるんかなーって言う感じの……。

「え、嘘。マ?」

「ウン、まじ。何なら昔話でもしたら納得してくれるか?」

 ケラケラと笑うその子は……声も全然アイツとは違うのに、それでも分かった。

 あぁ、コイツは響なんだなって。

 だからこそ……。

「だからってお前ノースリーブは良くない。ちゃんと隠そう」

「お前までフェイトと同じこと言うなよ……あ」

 一瞬で部屋の中にいる全員の視線を集めた。まって、コイツが響だと言うなら……落ち着け、俺とチョコ食ってる時、執務官の事を名字で呼んでたはずだろう。 

「やっぱり、そういう関係なのー?」

「もう響も認めちゃいなよー」

 ヴィヴィちゃん一家が凄く問い詰めてるけど……まて、リュウキ。落ち着け俺。ここから導き出されることは一つだ……つまりコレは……。
 視線をアーチェの方へ向けると、こちらもよく分かっていないらしく首を傾げて。
 
「よく分からないんですが、響とフェイト執務官が……LOVE?」

「マジカー。オマエもう親友じゃねーわ、死ねよもう!」

「なんでやねん!」

 久しぶりの、とはいっても響の声は女性の声だけど、昔懐かしいやり取りをして……あぁ。

 ようやく、俺は帰ってきたんだなぁって。

 つーか、待てよ……コイツチョコ食ったら変わったんだよね。だけど、生チョコって言われる程度にチョコの感じが凄かったからチョコで変わったわけじゃなくて。
 あのチョコ確か……。

 あ。

「そっか、お前酒入りの物食べたら変わるんかー」

「あ、ばっか?!」

「へぇ、それは良いことを聞いたねー、ヴィヴィオー?」

「うん!」

 あ、めっちゃ狼狽えてる。ということはなんかまずかったか?

 まぁ、良いわ……俺の純情を弄んだ罪だ……フハハハ!


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