蒼紅:第十八話 蒼き雷霆(アームドブルー)
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この中で最も厄介なテーラに狙いを付けたアシモフはテーラに向けて無慈悲な銃弾を放った。
蒼き雷霆の雷撃が収束された一撃にテーラは防御も間に合わずに目を閉じるしかなかったが、痛みは何時まで経ってもやってこない。
「あ…ああ…!!」
「お、お兄さ…!!」
GVとシアンの愕然とした声にテーラはゆっくりと目を開けると…自分を盾にしてテーラを凶弾から守り、吐血しているソウの姿であった。
「ほう、これは思わぬハーベストだったな」
「…ソ…ウ…?」
「馬鹿…が…銃を、向けられて…ジッとしている奴が…何処…に…」
言い切る前にソウは仰向けに力なく倒れた。
「兄さん!!」
「いや、お兄さん…!!」
「ソウ…そんな…どうして…!?」
「し、知るか…体が…動いたんだ…勝手にな…」
カゲロウが使える状態では銃弾が素通りしてしまうために、テーラが狙われた直後にカゲロウを封印してテーラの盾となったのだ。
出血が酷い、このままではソウの命は保たないだろう。
「テーラ…怪我は…ないな…?」
「は、はい…あなたが…あなたが守ってくれましたから…」
血溜まりの中に沈む死にかけのソウの姿が、かつて無能力者に殺されかけた兄の姿と重なり、普段からは想像出来ない程に取り乱していた。
「ほう、まだ生きていたか…だが、長くは保つまい。今度こそアスタラビスタ…楽にしてやろう、ソウ…」
「止めろ!!」
GVが避雷針を撃ち込むが、カゲロウで透かされてしまう。
「やはり邪魔をするかGV」
「よくも兄さんを…!!2人共…兄さんを頼むよ…!!」
ソウをテーラ達に任せてGVはアシモフに向かっていく。
「どうしよう…血が…血が止まらないよ…!!」
「っ…!!大丈夫です…ソウは雷撃の…雷撃の能力者です…意識さえはっきりさせれば自分の能力で…」
唇を噛み締めるテーラ。
このままではソウの命が保たないだろうが、ソウの朦朧としている意識を何とかすれば自分の生体電流を活性化させて自然治癒能力を高めることが出来る。
「どうして…?アシモフにとってソウ達はそんなに容易く切り捨てられる存在なのですか…?」
自分もエデンの巫女だ。
時として冷徹な判断を下さねばならない時もあることくらいは理解している。
しかし何の葛藤もなくこんなことが出来るアシモフに愕然としていた。
「でも、先程の一撃を受けて、どうして…?」
先程の一撃はアシモフにとって確実に自分の命を奪う一撃だったはず、それを自分を庇って受けたソウが何故生きているのか…。
「テーラちゃん…これ…」
「あ…」
ハンカチで傷口を押さえていたシアンがソウの首にかけられている物に
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