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ある晴れた日に
96部分:小さな橋の上でその十二
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。じゃあよ」
 何はともあれ彼も渡りだす。それを見てから二人は今度は正道に顔を向けて言ってきた。
「じゃあさ、音無」
「何だよ、その名前」
 奈々瀬に対してまず速攻で突っ込みを入れる。
「ひょっとして仇名かよ」
「そのつもりだけれど駄目かしら」
「駄目に決まってるだろ。俺は音橋だ」
 何故か音無と言われると不機嫌になる彼だった。
「その呼び方止めろよ。いいよな」
「わかったわ。じゃあ止めておくわ」
「当たり前だよ。とにかくだよ」
「ええ」
「御前等先渡れよ」
 彼の方から言ってきた。
「ほら、先にな」
「先にって」
「あんたが先に行かないの」
「俺は最後でいいんだよ」
 こう言うのである。
「最後でな。だから早く行けよ」
「そんなに言うのならいいけれど」
「またどうして最後なのよ」
「別に最後でもいいだろ?」
 いぶかしむ二人に対してまた言うのであった。
「俺がトリでもな」
「まあ音楽は前座レベルだしね」
「そういうのでトリでもいいわよね」
「御前等いつも一言多いんだよ」
 やはり音楽のことを言われるといささか以上に本気になるのだった。

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