第百二十一話 即位その三
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双葉が久志にこう言った。
「投票で問題なのは」
「匿名でもだよな」
「ええ、字を書けない人も」
「ああ、多いな」
「そうでしょ、この浮島は」
「むしろ書けない人の方がな」
「読めない人もね」
つまり文盲の者がというのだ。
「多いでしょ」
「だからだよな」
「そうした人のことも考えて」
そしてというのだ。
「投票をすべきだけれど」
「じゃあな、投票の仕方を考えるか」
「具体的に考えると」
双葉は久志に自分の考えを述べた。
「マルかバツか」
「それだけか」
「これ位は誰にも書けるでしょ」
「字を書けなくてもな」
「今回の投票は全国民の十八才以上の人手」
「男女問わずだけれどな」
「その中で字を書けない人も」
むしろそうした文盲の者方が多いという現実から話すのだった。
「投票出来る様にね」
「だからマルかバツか」
「それでいけばいいでしょ」
「そうだな」
実際にとだ、久志も頷いた。
「それじゃあな」
「それでね」
「投票の仕方は簡単でいいな」
「こういうことは簡単にしてこそね」
「政もしやすいな」
「そう、だからマルかバツで」
それでというのだ。
「いきましょう」
「そういうことも考えないとな」
「そうよ、選挙でもね」
これでもというのだ。
「ちゃん字が書けないと」
「駄目か」
「そう、そして」
それでというのだ。
「若し書けないなら」
「その時はか」
「こうしてよ」
「マルかバツか」
「それで書いてもらうのよ」
「そうすればいいか」
「そうよ、じゃあ投票の結果次第で」
双葉はさらに話した。
「皇帝になりましょう」
「それじゃあな」
「皇帝になったら」
その時はというのだ。
「その権威でね」
「もっといい統治をしていくか」
「これで王国を降しても」
「王様の上に立つからな」
「だからね」
それでというのだ。
「是非ね」
「なれるならか」
「なるべきよ、やっぱり皇帝って大きいわよ」
「王の上に立つ至高の座か」
「そう、だからね」
そうした地位にある存在だからだというのだ。
「なれたらね」
「なるべきか」
「そう、そして」
双葉はさらに話した。
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