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ダンジョン飯で、IF 長編版
第三十八話  黄金郷のヤアド
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***





「きゃ〜〜〜〜〜!」
 ファリンの嬉しそうな悲鳴が上がった。
「ミノタウロス! ミノタウロスの…メス?」
「乳牛代わりです。」
「どうして、ミノタウロスを?」
「家畜が手に入らないので…。それに寿命も短いですし。」
「へ〜〜〜。」
 ファリンは、目をキラキラさせつつ、ミノタウロスに手を伸ばした。そしてその鼻先を撫でてみる。ミノタウロスは、大人しく撫でられた。
「兄さんが知ったら、飛んで喜ぶだろうなぁ…。」
「なんでしたら、乳搾りしてみます?」
「えっ! いいの!?」
「では、まずは、仔牛のフリをするため、こちらを。」
 そう言われて渡されたのは、牛の毛皮でできたかぶり物だった。
「慣れてきたら必要はないけど、踏まれると危険ですからね。」
「はーい。」
「そして、懐から潜り込み…。」
「うんうん。」
 ファリンは、バケツを手に、ミノタウロスに近づく。
 すると、ミノタウロスがファリンの存在に気がつき、ファリンを抱え上げて、胸に抱えた。
「あとは、山羊や牛と同じです。」
「えっと…。こうか。」
 目の前にあるミノタウロスの胸の乳首を掴み、ファリンは、バケツの中に乳を搾った。
「……楽しい。」
 ファリンは、うっとりとした。
 そうして、乳搾りを体験したファリンは、飲めるの?っと聞く。
「一応低温殺菌しますので、すぐには…。」
「じゃあ、チーズとかは?」
「ありますよ。」
「わーい!」
 じゃあ、今日のご飯が楽しみだとファリンは、喜んだ。





***





 そうしてファリンとセンシが村の畜産と農業を楽しみ、これから会うことになる人物がいるという家に戻る。
「お、やっとお戻りか。」
 チルチャックが酒を飲んでいた。
「ねえねえ! 聞いて! この村、魔物を畜産してるんだよ! ミノタウロスの乳搾りしちゃった!」
「おー、そうか。よかったな。」
「聞いてくれ! ファリン、この村は魔物を養殖に成功しているぞ!」
「えっ! そうなの!」
「うむ! まさに理想的じゃ!」
「……悪酔いしそう…。」
「あれ? そういえば、マルシルとイヅツミは?」
「ああ…あの二人は…。」

「ふぁ、ファリン…。」

 すると、部屋の奥から、ドレス姿のマルシルが出てきた。
「どう?」
「すご〜〜い、似合う似合う!」
「そ、そう?」
 マルシルが赤面した。
 そんなマルシルの横には、ゴロゴロと喉を鳴らすイヅツミがいた。
「どうしたの、イヅツミ?」
「それが…、ここには何重にも結界が張られていて、それがイヅツミに干渉しているの
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