蒼紅:第十二話 憎悪
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を吐いているテーラを見て、ココアを飲んでいたソウが尋ねる。
「いえ、シアンに少し大人げないことをしてしまいました」
「大人げないと言ってもシアンの方が年上のはずなんだがな…それで?何をしたんだ?」
一応シアンは13歳なのでテーラより2個上なのだが、それよりもテーラが落ち込んでいる理由を尋ねる。
「私のお兄様の話になり、お兄様のことを教えていたのですが、私の実の家族の話になって…」
「気持ちを抑えられなくなったのか」
「はい、シアンの言う通り…確かにモニカさんのように素晴らしい人格者がいることは認めます。ですが、私は過去に迫害されてお兄様を殺されかけたこともあって、無能力者を許すことは出来ません」
拳を握り締めるテーラにソウは彼女の頭に手を置いて口を開いた。
「別に許さなくても良いだろう」
「え?」
予想外の言葉にテーラは目を見開いてソウを見上げる。
「お前が憎いと思うなら憎めばいい。その憎しみは、気持ちはお前の物だ。憎む資格は充分ある…それなのに何故それを他人にとやかく言われなければならない?それにお前の境遇は理解出来る。俺も基本的に無能力者は憎いからな」
そう言って頭を撫でるソウ。
「ありがとうございます…」
「別に礼を言われることでもない…このペンダントは嬉しかった…ありがとう…」
不器用な礼にテーラは微笑みを浮かべたのであった。
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