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魔法少?リリカルなのは UnlimitedStrikers
第74話B 繋いだ手がほどける時
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てる間にも、震離の躰からは灰が舞い、流は全身から血を零している。

「あーぁ。流とお酒飲んでみたかったなぁ。ミッドの月は2つあるから好きなんだよねぇ」

「その時は私のが年下なので、酌を致しますよ。月見酒も風情がありますよね」

 他愛もない言葉を紡ぐ。それは2人がこの後のことに恐れを抱いていないということ。死ぬのが怖い訳ではない、だがこの人とならば大丈夫だと互いに想い合ってるからこそ、恐怖を超えることが出来るのだ。

「……嘘ついちゃったね」

「……本気の嘘です。後悔はありませんよ」

 そのまま2人が近づき正面に立つ。お互いに笑みの歯を見せ、震離が流と目線を合わせるために僅かに屈んで、愛おしそうに額をコツンと合わせて。自然な動作で唇を重ねた。
 しばしの沈黙の後、2人が唇を離し、顔を引き―――





「―――月が綺麗ですね」





「えぇ、死んでもいいよ」





 刹那。2人の間に白と黒の極光が奔る。光に飲まれる直前、彼と彼女は笑った。大きく笑って、笑って、笑って……そして、愛おしそうに。

「「―――――」」

 その身と声も、等しく光に飲み込まれた。

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