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魔法少?リリカルなのは UnlimitedStrikers
第74話B 繋いだ手がほどける時
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「……そっか」
どことなく涙目になる彼女を安心させるように、彼は彼女にのみ見せる笑みを浮かべる。年相応な、子供のような笑顔を。
通信を飛ばす前、彼と彼女の言っていた最悪とはこの事だ。
風鈴流も、叶望震離も、もう保たないという事を。
先ずは流。嘗てのヴァレンの全盛期のときの体ならばこの程度の負傷ならば、ヴァレンが考えてた通り再生していただろう。
だが、ヴァレンをその身に宿し、本来のリンカーコアを取り込んだこの体は致命的なまでに最適化が間に合っていないのだ。右の肩を貫かれても死なないはず。脇腹を抉り抜かれても死なないはずのこの躰。
1時間もすれば、その心の臓は鼓動を止めるだろう。既に流のオッドアイには白くなり始め、気を抜けば眠ってしまいそうなほど睡魔に襲われてしまっているのだ。
次に震離。以前死にかけた際に、キュオンに……
真祖の吸血鬼
(
ハイデライト・ウォーカー
)
によって使徒化を施された。だが、それを持ってしても腕を落とされ軽い拷問と火災の熱に襲われた際に、彼女は二度目の死を迎えていた。
それでも彼女が生き残ったのは、流を殺されたかもしれないという疑念からの憎悪。それによって限界を超えて彼女は生きた。そのお陰で、震離はキュオンと言う祖と再会し、そして彼女の血を、力を受け継ぐ用意をしていた。
しかし、完全に受け継ぐには時間が足りなかった。
震離がライザに貫かれ爆破された時、完全に受け継いでいればあの時点で彼女は完全に再生をしていただろう。だが、それが出来なかったのはまだ受け継げていなかったこと。同時に念を押されて彼女とある約束をしていたが、震離はそれを破ってしまった。
キュオン
(
私
)
が消えるまで心臓を貫かれてはいけない、と。
曰く、自身が死ぬ度に貴女に真祖の力が流れていくと。曰く、消滅した時にはその力が完全に譲渡されると
だが、震離はキュオンが魂を賭す前に一度死んでしまった。心臓を貫かれて。
それでも震離は自力で再生し、響の頼みを完遂したが、その際に気づいてしまった。自身が灰化し始めていると。自分が消え始めていると。だからこそ震離は響の元から離れた。悟られてはいけないと。自身がもう保たないと、死んでしまうとバレてしまわないように。
「ねぇ、震離さん」
朧気な視線のままで声を放つ。
「なあに」
そんな彼の右手を取って隣りに座る。抱き寄せると流が笑い、それに応えるように抱き寄せる腕に力が入る。
「後は死に行くこの躰。私は最低ですね……鮮烈に生きると言ったのに、こんなにもすぐに破るんですから」
「そんな事無いよ。少なくとも流は今まで生きてた過去は……鮮烈じゃないと思うの?」
「は」
息をつく様に笑う。
「色んな人
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