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魔法少?リリカルなのは UnlimitedStrikers
第73話 Rebooting Time 3 minutes.
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差させて盾とする。その上から、右の拳を叩き込むと同時に王の背後に着地する。
僅かに体勢を崩した王目掛けて、もう一度踏み込んでの左の拳を放つ。だが、王は振り返ると共に槍で迎撃する。
こちらの拳が王の右肩へと刺さる。あちらの一打が右肩を貫く。灼熱を感じるが、止まらない、止める訳にはいかない。首を落とされなければ、心臓を直接撃ち抜かれなければ、この躰は死なない。嘗てそれを実証したのだからこそ分かる。
刹那、王がはじけ飛び、転がる。
立ち上がろうとする王に、追いつくと同時に、足刀を叩き込むが、倒れたままにも関わらず、槍で軌道をズラされ足刀は空振ってしまう。
だが、その槍を手に取ったと同時に。それを軸に一回転。そのまま王の右肩目掛けて、その勢いを用いた足刀を打ち込み、肩を削り取った。
ガチャン、と嫌に機械的な音がしたと共に、その右肩を破壊し彼方へと飛ばした。
断面からは赤い血と、機械の躰が見える。
なるほど、コレが戦闘機人か、と。のんきに考える。
だが、即座に考えを現実に戻して、もう一度叩き込むべく足刀を振るおうとする。
しかし、軸が消え、体があらぬ方向へ飛ばされてしまい、空中で踏み留まる。顔をあげると王はこちらに穂先を向け、左手だけで構えていた。
勿論その目はまだ死んでいない。未だ術式は完成には程遠い。だが、それでも確実に進んでいる。
そして、互いにもう一度ぶつかり合う。こちらの右腕は、
今は
(
・・
)
使えない。だが、あちらも左腕一本。それでも王は最初と変わらない勢いで槍を振るい、弾幕を作る。こちらも左腕でそれを迎撃、相殺していく。
だが、徐々に徐々に押され、攻撃が掠っていく。王には未来予知がある。ただし全盛期程ではないが、それでも厄介な代物を、王は惜しげもなく使い、こちらの反応できない攻撃を重ねていく。
弾幕を捌き、逸しているにも関わらず、血に塗れ、表面が削られていくのが分かる。
だが、耐える。耐えて耐えて、ただ耐えて。術式の完成を目指す。王の中にある核を、レリックを打ち砕く為の一打を撃つために。
最初から決めていた、キュオンと二人で。この戦いで俺達が死ぬことがあっても、何があっても。我らが命を奪うのは無しにしようと。無論二人にも伝えている。
俺達は過去の残影。今の輝かしい未来には不要のものだと、過去が未来を壊してはならないとわかっているから。
だからこそ、狙いは一つ。王を呼び出している
レリック
(
王
)
を砕く。
動かしていなかった右腕を動かす。今一度魔力を込め、白い稲妻を奔らせ、それに呼応するかのように左の拳に黒い稲妻が奔る。
同時に目の前に魔力陣を、見知った方陣であるベルカの陣を引く。
防御の末に掴んだ、僅かな隙間を、推してると考えてしまったその一瞬を。
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