暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少?リリカルなのは UnlimitedStrikers
第73話 Rebooting Time 3 minutes.
[17/18]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
差させて盾とする。その上から、右の拳を叩き込むと同時に王の背後に着地する。
 僅かに体勢を崩した王目掛けて、もう一度踏み込んでの左の拳を放つ。だが、王は振り返ると共に槍で迎撃する。
 こちらの拳が王の右肩へと刺さる。あちらの一打が右肩を貫く。灼熱を感じるが、止まらない、止める訳にはいかない。首を落とされなければ、心臓を直接撃ち抜かれなければ、この躰は死なない。嘗てそれを実証したのだからこそ分かる。
 刹那、王がはじけ飛び、転がる。
 立ち上がろうとする王に、追いつくと同時に、足刀を叩き込むが、倒れたままにも関わらず、槍で軌道をズラされ足刀は空振ってしまう。
 だが、その槍を手に取ったと同時に。それを軸に一回転。そのまま王の右肩目掛けて、その勢いを用いた足刀を打ち込み、肩を削り取った。
 ガチャン、と嫌に機械的な音がしたと共に、その右肩を破壊し彼方へと飛ばした。
 断面からは赤い血と、機械の躰が見える。

 なるほど、コレが戦闘機人か、と。のんきに考える。

 だが、即座に考えを現実に戻して、もう一度叩き込むべく足刀を振るおうとする。
 しかし、軸が消え、体があらぬ方向へ飛ばされてしまい、空中で踏み留まる。顔をあげると王はこちらに穂先を向け、左手だけで構えていた。
 勿論その目はまだ死んでいない。未だ術式は完成には程遠い。だが、それでも確実に進んでいる。

 そして、互いにもう一度ぶつかり合う。こちらの右腕は、今は(・・)使えない。だが、あちらも左腕一本。それでも王は最初と変わらない勢いで槍を振るい、弾幕を作る。こちらも左腕でそれを迎撃、相殺していく。
 だが、徐々に徐々に押され、攻撃が掠っていく。王には未来予知がある。ただし全盛期程ではないが、それでも厄介な代物を、王は惜しげもなく使い、こちらの反応できない攻撃を重ねていく。
 弾幕を捌き、逸しているにも関わらず、血に塗れ、表面が削られていくのが分かる。
 だが、耐える。耐えて耐えて、ただ耐えて。術式の完成を目指す。王の中にある核を、レリックを打ち砕く為の一打を撃つために。

 最初から決めていた、キュオンと二人で。この戦いで俺達が死ぬことがあっても、何があっても。我らが命を奪うのは無しにしようと。無論二人にも伝えている。
 俺達は過去の残影。今の輝かしい未来には不要のものだと、過去が未来を壊してはならないとわかっているから。

 だからこそ、狙いは一つ。王を呼び出しているレリック()を砕く。

 動かしていなかった右腕を動かす。今一度魔力を込め、白い稲妻を奔らせ、それに呼応するかのように左の拳に黒い稲妻が奔る。
 同時に目の前に魔力陣を、見知った方陣であるベルカの陣を引く。

 防御の末に掴んだ、僅かな隙間を、推してると考えてしまったその一瞬を。
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ