暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少?リリカルなのは UnlimitedStrikers
第73話 Rebooting Time 3 minutes.
[1/18]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
――sideヌル――

 目の前のフェイカーが、いや、血まみれの鬼が一歩、また一歩とこちらに向って歩いてくる。
 右のフェイントからの、ストレート。どう攻撃をしてくるのか見えているのに、どう躱せばいいのか分かるのに……本能が警鐘を鳴らしている。

 ―――勝てない、と。

 私の中の記憶(ヴィヴィアン)が告げている。もう勝負は着いたと。

 だが……だけど、私に負けは許されない。私はドクター(お父様)ライザ様(お祖母様)の夢の結晶。

 ドクター(お父様)の最強の生命を作るという果ての果て! ライザ様(お祖母様)ドクター(お父様)の遺伝子を見つけて、そして私が、レプリカが、オリジナルを超えるという夢の為!

 私は、私は!

「敬意を払いましょう、だが、討つ」

「……なんだ、何だお前は? 関係ないだろう、お前たちは!」

 顔の隣に掲げた右手を握っただけで、私の体が振るえてしまった。ただ歩いてるだけなのに、ただ、そこに居るだけなのに!

「俺もアイツも……ゆりかごも、この時代には不必要なもので、今に不要な影だ」

 一歩下がる。腰が引ける。

「我らは過去の影に過ぎない。故に 未来を生きるものたちを、古の王たちが、我らが願った―――平和に生きる宝を脅かすなら―――オレはお前を討ち倒すために、この拳を振るおう」

 体を灰色の魔力が包んだ。だが、それは今までの比ではない。王室で見た術式と酷似した何かだ。圧倒的な魔力の量。それを体の内部で圧縮して、極限まで出力を上げている。

 あれは防げないと、分かってしまう。だが、だが……雷を使えば―――

「今こそ、心を滾らせ。いざ」

 鬼が更にその殺意を厚くさせる。不意に、鬼の背中に誰かいるように見えて。

 それが何かかわかったと同時に、体が縛り付けられたように強張ってしまう。

 ここで負けるわけはいけない……だが、だが、一時撤退ならば、それならば!

「我が名はヴァレン・アオスシュテルベン・リューゲ・シュタイン! 貴殿を打ち砕くものなり!」

 悲鳴をあげるよりも先に、鬼神が懐へ跳んできた。
 咄嗟に、見える攻撃を全て防ぐように体を腕を動かし、咄嗟にその攻撃を逸して、距離を取る。

 だが、私を追うように再び、踏み込み両拳が舞う。現時点での魔力量、防御は私の方が上のはずなのに!

「くぅ……あ?!」

 読めていたはずなのに、拳が頬を掠め、裂ける。鮮血が飛び散ると共に、鬼神は更に血に塗れる。私と同じ赤い瞳と、私とは異なる深い青の瞳が、光の線を描くように跡を引いてるように見える。

 この間合は私の距離の筈。それなのに圧倒されてしまう。

 不意に、高く振り上げた足を、床に叩きつける。だが、コレ
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ