純粋なお遊び
合縁奇縁のコンサート 28
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うち)!
即ち、度外視!
いける。いけるぞ!
名付けて
『くれぬなら 貰ってしまえ ミントの茶』
作戦!
そう……誰かに要求して止められるくらいなら、始めから自分で注げば良かったのだ。
あのポットを手にしたままマリアから距離を取って、空にするまでじっくり堪能する。
我ながら、なんと素晴らしい計画なのか!
「じゃあ、プリシラさんにも説明しなきゃ。今度こそ、ゆっくり話せると良いわね」
「はい!」
「娘と人間の男性と精霊の三角関係なんて予想もしてなかった展開だから、先が楽しみだわ」
「だから。どうしてそうなるんですか、聖天女様」
「面白そうだから?」
「私で遊ばないでください!」
よーしよし。
良いぞ。その調子だ、マリア。
リースリンデの開き切らぬ青い花を目一杯おちょく……いや、愛でてやるが良い。
我はその隙にこっそりベッドを降りて、物音を立てぬよう、素早くテーブルの下へ。
くくっ。誰も気付いておらぬな。
我が計画を着々と進めているとも知らず、頭上で暢気な言葉を交わし続けておるわ。
目標地点まであと少し。
テーブルの隅の真下に着いたら少しだけ浮いて、会話の盛り上がりが最高潮を迎えた瞬間にテーブルの上へ飛翔。ポットを奪取するのだ!
ああ……あの器一杯に詰まっている甘露がもうすぐ我の物になるのかと思うと、胸の高鳴りが抑え切れぬ。
此処は慎重に、呼吸を整えてから……
「あら? ティーは?」
「!?」
まずい! 我の移動に気付いたか!?
「さっきまでは其処に……」
「……バルハンベルシュティトナバールなら」
ちぃっ!
マリアが疑問を口にした所為で、レゾネクトが我の居場所を瞬時に特定・告げ口しようとしておるな!?
させん! 此処まで来て、そんなオチは許せぬ!
先・手・必・勝・!
「にょにょおにゃにゃ(このお茶は)、にゃえにょみょにょにゃああああああああああああ(我の物だああああああああああああ)!」
ズガァーーーーンッ!! べちょ。
「…………にゃべ(あれ)?」
「ちょっ」
「ティーさん!?」
「おやおや……って、あ」
「あ」
遠くに人間達の声が聴こえる。目の前には、遥かなる闇に浮かぶ無数の星。
何故かツノと羽が痛い。顔面も痛い。
そして。
ばりーーーーーーーーーーんっ
べちべち! べち!
「あにゃにゃっ、あにゃっ」
目と鼻の先で砕け散った何か。
飛散して我の後頭部を何度も打ち付ける何か。
響き渡る、乾いた音。
「な……なにしてるの、ティー!?」
「う、うにゃぁ〜……」
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