蒼紅:第十話 深淵
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ていたはずです」
小声で会話をすると、モニカに向き直る。
「今回はGVは待機させる。そこには俺1人で行くとしよう…もしこの海底基地が罠ならGVには危険だからな」
蒼き雷霆にとって水…特に電解質を多く含んだ海水は天敵とも言える物だ。
しかし、蒼き雷霆より出力が高い自身の紅き雷霆なら、海水の中でも消耗は激しくなるものの、即オーバーヒートはしない。
『分かったわ、お願いねソウ。テーラちゃん、本当にごめんなさいね』
「…別に謝るようなことはしてはいないのに何故謝っているんだあいつは?」
「充分謝ることです」
可愛らしく膨れるテーラにソウは頭に手を優しく置くと、ミッションの準備を進めた。
そしてGVに隠れ家とシアン達のことを任せると、海底基地に潜入した。
「簡単に潜入出来たと言うことはやはり罠の可能性が高くなってきたかもしれんな…」
皇神第三海底基地…。
まだ皇神の次世代発電が実用化される以前…皇神が海底資源採掘のために建造したのがこの基地だ。
だが、この海底基地の完成目前に皇神の次世代発電が実用化…現在は多目的実験施設として再利用されている…というのがこの基地の表向きの“設定(プロフィール)”だった。
「そう言えば、シープス3…テーラくらいの女と言うのは何を渡せば喜ぶんだ?」
『へ!?』
マッハダッシュとダッシュを駆使し、高速で移動しながら敵を蹴散らして進むソウがモニカに尋ねる。
尋ねられたモニカは間の抜けた声を出す。
「何だその間の抜けた声は?」
『あ、あなた…本当にソウ?あの何時も無愛想なソウなの?』
「…とうとう頭が使い物にならなくなったのかシープス3」
『ああ、その言い方はやっぱりソウなのね……普段のあなたを知ってれば誰でも驚くわよ。』
「そうか?…まあ、そうだな…」
モニカの言葉に対して自分でも思い当たる節があったので、思わず同意した。
『と、とにかく…テーラちゃんにプレゼントを贈りたいのよね?』
「ああ、隠れ家のことやシアンのことも、色々と任せきりだからな。あいつに…礼がしたいんだ」
『(シアンちゃんやテーラちゃんとの生活のおかげかしら…フェザーにいた時より雰囲気がずっと柔らかくなっている気がするわね…悪魔とか狂犬とか言われていてもやっぱりソウは“お兄さん”なんだわ…年下の子に弱いのね)』
フェザーにいた時は常に神経を張り詰めていて、眉間に皺が寄っているのが常であったが、弟と年下の少女2人との生活は思わぬ効果を発揮しているようだ。
「おい?」
『ああ、ごめんなさい。そうね…アクセサリーとか色々あるけれど、重要なのはあなたがテーラちゃんのために考えて選ぶことだと思うわ。どんなに高価なプ
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