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蒼と紅の雷霆
蒼紅:第十話 深淵
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ないようにソウは海底基地のことをテーラに尋ねる。

「…いいえ、そんな話は一度もありませんでした。そんな規模の話ならもっと前に噂が流れていたはずです」

小声で会話をすると、モニカに向き直る。

「今回はGVは待機させる。そこには俺1人で行くとしよう…もしこの海底基地が罠ならGVには危険だからな」

蒼き雷霆にとって水…特に電解質を多く含んだ海水は天敵とも言える物だ。

しかし、蒼き雷霆より出力が高い自身の紅き雷霆なら、海水の中でも消耗は激しくなるものの、即オーバーヒートはしない。

『分かったわ、お願いねソウ。テーラちゃん、本当にごめんなさいね』

「…別に謝るようなことはしてはいないのに何故謝っているんだあいつは?」

「充分謝ることです」

可愛らしく膨れるテーラにソウは頭に手を優しく置くと、ミッションの準備を進めた。

そしてGVに隠れ家とシアン達のことを任せると、海底基地に潜入出来た。

あまりにも簡単に。

「簡単に潜入出来たと言うことはやはり罠の可能性が高くなってきたかもしれんな…」

皇神第三海底基地…。

まだ皇神の次世代発電が実用化される以前…皇神が海底資源採掘のために建造したのがこの基地だ。

だが、この海底基地の完成目前に皇神の次世代発電が実用化…現在は多目的実験施設として再利用されている…というのがこの基地の表向きの“設定(プロフィール)”だった。

取り敢えず罠かどうかを調べるために基地内を進むことにしたソウ。

「……そう言えば、シープス3…テーラくらいの女と言うのは何を渡せば喜ぶんだ?」

『へ!?』

マッハダッシュとダッシュを駆使し、高速で移動しながら敵を蹴散らして進むソウがモニカに尋ねる。

ソウでシアンとテーラの次に身近な異性は元チームのモニカなので何らかの情報が得られるのではないかと言う判断だが、尋ねられたモニカは間の抜けた声を出す。

「何だその間の抜けた声は?」

『あ、あなた…本当にソウ?あの何時も無愛想なソウなの?』

通信機越しの彼は本当にあのソウなのか?

フェザーにいた時と今のソウとの違いにモニカは驚く。

「…とうとう頭が使い物にならなくなったのかシープス3。無能力者は脳の劣化が早いのか?」

『ああ、その辛辣な言い方はやっぱりソウなのね……以前のあなたを知っていれば誰でも驚くわよ。』

「そうか?…まあ、そうだな…」

モニカの言葉に対して自分でも思い当たる節があったので、思わず同意した。

『と、とにかく…テーラちゃんにプレゼントを贈りたいのよね?』

「ああ、隠れ家のことやシアンのことも、色々と任せきりだからな。あいつに…礼がしたいんだ」

『(シアンちゃんやテーラちゃんと
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