蒼紅:第十話 深淵
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あの日から数日後、ソウはテーラと話していた。
「おい、テーラ…お前は欲しい物とかはないのか?この隠れ家のことやシアンのことを任せているからな……」
自分とGVがミッションで不在の時はテーラに隠れ家とシアンのことを任せっぱなしなので、プレゼントを贈ろうとしたのだが、この手のことはさっぱりなのでテーラに聞いてみたのだ。
「欲しい物…ですか…?そう…ですね…(今、私が欲しい物…と言えば…)」
欲しい物は目の前にいるのだが。
「おい、何故俺を凝視している?まさか俺が欲しいと言うんじゃないだろうな?」
「ふふふ、そうですと言ったらどうします?」
「人をからかうな」
顰め面をするソウだが、テーラは真面目な表情で見つめる。
「からかってなどいません…私は本気です…」
「テーラ…お前…」
こういう時、どう言えば良いのか分からない。
馴れ合いを好まず、最近まで女性に対して関心を持たなかった性格はこういうところで災いする。
『ソウ、GV。あなた達に…依頼…が…』
モニカが依頼を持ってきたが、見つめ合う2人を見て沈黙してしまう。
「ん?お前かシープス3」
「………(何てタイミングの悪い…)」
『その…ごめんなさい…ソウにテーラちゃん。お邪魔だったみたいで』
「邪魔?何のことだ?」
『き、気にしなくて良いのよ!?別にソウがこんな可愛い女の子といい雰囲気なのが羨ましくて私もあの人となんて欠片も思ってないわ!!』
疑問符を浮かべるソウ。
赤面しながら慌てるモニカだが、朴念仁なところがあるソウは理解出来ない。
「安心しろ、俺はお前のことは一切何も気にしていない。」
『それはそれで傷付くわね…』
「それより依頼があるんだろう?早く言え(テーラに渡す物は後で考えるとしよう)」
「…………」
冷たい目でモニカを見つめるテーラにばつが悪そうな表情をモニカは浮かべた。
『ほ、本当にごめんなさい。この埋め合わせは必ずするから』
「結構です。次からタイミングさえ考えてくれれば充分ですので」
『そ、そう…コホン…諜報班からの情報によると…皇神の第三海底基地に、多数の物資が搬入されているらしいの。搬入されている物資の内容や、その基地には潜水艦用のドックがあることから見て…どうも大型の武装潜水艦を建造しているのではないか、と言われているわ』
「言われているだと?はっきりしないな…」
『ええ、あくまで噂話でしかないから。あなた達に調査を依頼したいの』
「……少し待て…おい、テーラ…皇神のスパイをしていた時にそんな話はあったのか?」
「…いいえ、そんな話は一度もありませんでした。そんな規模の話ならもっと前に噂が流れ
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