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魔法少?リリカルなのは UnlimitedStrikers
第72話 Stronger Than You.
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、その場に跪く彼女の姿は、あまりにも美しい姿勢で、彼女の上からは光が差してるとさえ認識してしまった。

 そして。彼女は続ける。子守唄を歌うように。

 ―――主よ、永遠の光で彼らを照らしたまえ。

 ―――彼らに安息を与えたまえ。

 ―――安らぎのうちに眠り、喜びのうちに目覚めたまえ

 ―――心が再び呼び起こされる時には。

 ―――お往きなさい、心から愛し慕う方と共に。

 ―――そしていつの日か、天使の手によって、主は私たちを来世で引き合わすでしょう。

 組んでいた両手を解いて、虹の極光へと掲げる。

 刹那、その姿が変わる。ストロベリーブロンドの長い三つ編みの髪を肩から前へ垂らした、流と……いや、ヴァレンさんと同じ背丈の女の子。赤かった瞳が、一瞬綺麗な琥珀色の瞳に変わる。

 1秒にも満たない時間の中で、ハッキリ見えた。

 優しそうに目を細め、小さく笑って。

「     」

 遠くに映る彼女が何かを呟いた。それが何を意味するのか、誰に向けて言ったのかが分かって、再び涙が溢れて止まらなくなる。

 天国かと錯覚する程の虹と雷、そして焔の共演。
 焔が虹を喰らい、雷となった虹がそれを防ごうとする。

 全てを破壊せんと、虹と雷が奔る。

 全てを焼き尽くさんと、焔が煌めく。

 光が収束すると共に、暗転。黒が画面を包む。数秒の静寂。

 そして、次に画面が映し出されたときには―――


――sideヴァレン――

(ヴァ……レンさん、キュオンさんが……キュオンさんが!)

「分かってるよ。コレで良いんだよ流」

 全身から血を零れ出るのを感じながら、今一度紛い物(ヴィヴィアン様)の前へと出る。

 しかし、我ながら情けないな。空間を割ってそこに入って避難したにも関わらず、負荷に耐えきれずに、血を流してんるんだから。
 いや、情けないということは無い。ちゃんと理由が分かってるから……それはおいおい震離に任せるとして、だ。

「……なぜ?」

「それはどっちの意味でだ? 雷を撃ったお前が? それとも俺か?」

「貴様……なぜ」

「まぁ、言うわけ無いだろう」

 わざわざ種明かしする程、人は出来てないもので。
 しかし、まさに驚愕といった表情をしてるなぁと。だが、不意に口元を歪めて彼女は笑う。

「だが、私の勝ちだ!」

 歓喜の絶叫。まぁ、状況は最悪だが、まぁそれはあちら(・・・)も同じだろうが……気付いてないなこりゃ。
 でもそう考えるよなぁ。ゆりかごの雷と、アイツの焔は完全に霧散してしまった。だが、アイツは……文字通り消えてしまった。
 あちらはまだ、動力炉が砕かれたとは言え、ゆりかごと、その鍵である己が生
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