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その男ゼロ ~my hometown is Roanapur~
1st bullet 《hello & good-bye》
chapter 01 : conversation
#01 "Welcome to Roanapur"
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からな。
ちょっと様子を見てきていいか? レヴィが素直にあの日本人を解放したのかどうかをな」
俺の隣を通り過ぎてレヴィのいる方へと向かっていくゼロ。
その背中を見ながら俺は唇を動かさずに口中だけでこう呟いた。
「ゼロ…… 不吉な予言をする人間ってのは決して感謝されねえんだぜ。 その予言が正しければ正しいほどな」
Side ロック
「そっか……そんな事を話してたんだ、あの時」
そう呟いて部屋の窓を見遣る。確か港の方角は此方のほうの筈だ。
俺がロックから岡島緑郎へと。ただの平凡な一日本のサラリーマンから海賊見習いへと変わってしまった"あの日"を過ごした海はこの視線の先にあるわけだ。
「思えば遠くへ来たもんだ、か」
首は窓側へと傾けたまま、手にした缶ビールを揺らしながらそう口に出してみる。
陳腐な台詞ではあるけれど現在の俺の心境、というか境遇には見事に当てはまる言葉だ。
何しろ今正に俺が床に座り込んで呑気に直近の過去に想いを馳せているここ。
少し前まで俺が住んでた日本のアパートよりもかなり広い間取りをもつこの部屋が存在するのは日本からは遥か彼方(と言って良いだろう。主に心情的な意味で)に位置する東南アジアはタイ王国。
その南方にある港町ロアナプラの一角にあるビルのワンフロア丸ごと、だ。
そしてこの部屋の主こそ俺を海賊見習いへと、ラグーン商会の一員へと引き込んだ人物。
浅黒い肌に真っ白な短い髪。
俺より頭一つ高い長身の身体は細く引き締められた筋肉が詰まってる。
口を開けば人をからかう言葉ばかりだけれど、時に気遣いの言葉も投げ掛けてくれる。
聞けば街でも結構な有名人でもあるらしい彼の名は、
「ロック?どうかしたのか。窓から面白い景色でも見えるのか」
「いや、昔の事を思い返していたんだよ」
君と初めて会った時の事をさ、ゼロ。
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