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魔法少?リリカルなのは UnlimitedStrikers
第71話 最後の痴話喧嘩を
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 後ろでオリヴィエ様の気配が弱くなったのを感じたと同時に、更に踏み込んだ。それが意味することはただ一つ。紛い物(ヴィヴィアン様)の本格的な起動を意味するという事。
 
 オリヴィエ……いや、ヴィヴィオちゃんの場合は闘うという意思が無かった故にゆりかごもその力を完全に解放していなかったが。
 紛い物(ヴィヴィアン様)の場合は話が異なる。間違いなく破壊衝動に身を任せて暴れるだろう。あの子がどういう子なのかは分からない。

 だが、コレだけは言える。

 今感じるこの気配は、まるで―――

 ―――かつて汚染されてしまった夜天の書と同じだと錯覚してしまったのだから。


――sideヴァレン――

 さて。琴の息子……いや、響は怪我こそしてるが何とか大丈夫そうだな。

 遺跡に来た時、気配は感じていたが、顔は見れなかったんだよなぁ。ゆっくりその顔を見てみたいが……それは難しそうだ。

 目の前に居るのは。色鮮やかな虹の光を纏って、肩につく程度の金色の髪。聖王家たる証の1つの赤と緑の綺麗な目。

 あぁ、髪型こそ違えど、ヴィヴィアン様にそっくりなその子は。口が裂けるような笑顔を浮かべていた。

「ヴァレン・アルシュタイン? 御伽噺の英雄じゃあないか。それがなぜここに?」

 紛い物(ヴィヴィアン様)の後方に立つ白衣を纏った男が呆れたように言うのを聞く。
 咥えたキセルを、口の中で空気と混ぜるように肺まで吸い込んで。

「宣戦布告はしたはずだ。ま、名前なんて捨てたからな、忘れてもらっても構わない」

「フハハ。そうか、ならば呼び方を変えようか。贋作のF(Faker)! フロウ・ウィンドベル! いや、風鈴流君と呼んだほうがいいかな?」

「どちらでもいい。だが、俺の後継者(・・・)を贋作呼ばわりとはいい度胸じゃないか。えぇ、おい?」

 肺まで入れた煙を吐き出しながら白衣の男を見る。大体何を以て贋作呼ばわりしているのやら。理解出来ないな。

 ふと、前方に居たはずの紛い物(ヴィヴィアン様)が地面を蹴ったのが見えた。直後に俺の右側面に気配を2つ感じるが……。
 
 まぁいいか。

「邪魔しないで頂けますかしらぁ!」

「……じゃ頼んだよキュオン」

「えぇ」

 右側面に障壁を張ってこの後の事に備える。紛い物(ヴィヴィアン様)がそこまで迫ったと同時に、キュオンがその間に割って入って。

「邪魔ですわぁああああ!!」

 拳を叩き付けると共に、内蔵されてたであろう魔力が爆発。同時に、大量の血が周囲に飛び散る。俺と響は障壁のお陰で血を被ることは無かった。だが、目の前でキュオンを文字通り粉砕させた紛い物(ヴィヴィアン様)は。

「あは♪ やっぱり、やっ
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