暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少?リリカルなのは UnlimitedStrikers
第71話 最後の痴話喧嘩を
[9/10]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話

「せっかくフェイカーを殺せたのに、ねぇ!?」

「させる訳無いでしょう?」

 まぁ、こんな事しなくても良いんだけどね。ごめんなさいね。そのまま彼女の手をバインドで固定して。
 薙ぎ払うように、ヴァレンが私ごと蹴撃を横一閃に放つ。

 だが。コレでも彼女はヴァレンの一閃を見切り、ギリギリ当たらない様に回避する。

 痛みが奔る。胸部から腹にかけてが文字通り無くなった。即座に再生を試みるが―――

 ―――おや?

 一瞬間が出来ると共に、彼の右腕に収まり、抱きしめられることで床に着くことは無かった。

「酷いですわね。その鬼。想い人ではなくて?」

「ほっとけ」

 ギュッと私の抱く腕に力が入るのが分かる。少し呼吸を整えると共に。体を再生させて。

「重い」

「あいた! ……失礼な。コレでも体重管理はしてたんですよ?」

 お姫様抱っこの体勢になった所で、ぺって投げ捨てられる。ちょっと失礼しちゃうわ。そんな私に気づいたのか呆れたような顔をしながら。

「サイズ差考えろサ・イ・ズ・差・を! 大体お前はなんでそんな体型選んでんだよ馬鹿か?」

「ば、馬鹿かって……いいじゃない。結構なないすばてーだけど?」

「ないすばてーって、本来のお前ってば悲しみの平原って呼ばれる程度に貧乳じゃねーか。あれか。そういやお前言われたな。中途半端なロリババァって」

「や・め・て! あの、何でそれを今バラすかなぁ!? 昔、巨乳の人って良いよねって言ったの誰よ!?」

「俺だ俺。ただ、やっぱりそうだ。むっつりだ! 昔は体型なんて気にしないわっつっといて。流石のあざとさ、感服したわ」

「ちょっと!?」

 突然の暴言に思わず彼女から視線を外して、隣のヴァレンに視線を向けると。

 余裕といった様子でキセル咥えて、煙ふかしてるし。あーもー……やろうとしてる事は分かるけど、何かもー。


――side響――

 あれ? 俺さっき、えらくかっこいい人にご武運をって言ったはずだよな?

 あそこでイチャイチャしてる人たち……あっれぇ?

 いやだがしかし、あれはおそらく……。

「なんというか、面白い人たちだね」

「……そうは見えないけどな」

 呆れたような、反応に困るような顔をしたフェイトが呟く。

 ただ、何というか俺には……あの2人が別れを惜しむようにしか見えないんだよな。

「うわ、空で闘ってるとは思ってたけど、凄いねコレ」

 不意に後ろから懐かしい(・・・・)と思える声が聞こえて、振り返った。

 そこに居たのは、キュオンさんに似た感じのシスター服を纏い、拘束着の様に腰や胸元に赤いベルトを巻きつけた……。

「な……え?」

 言葉
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ