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魔法少?リリカルなのは UnlimitedStrikers
第71話 最後の痴話喧嘩を
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いう盾があるが……。

「気持ちいいのに、何で、アイツは生きてるのぉおおお!?」

「フフ、そういう生き物ですから」 

 気持ちいいとは、コレまた凄い事を。あの子の中では命は安いものなんでしょうね。文字通り一回ずつ死んでいるんだけどなぁ。
 しかし、驚いた。格闘術に関してはヴァレンの利があると思っていたのに、よくわからない戦闘スタイルで来るとはこれ如何に?

「系統は読めんが……どうもアイツ。特定の攻撃に対して自動でカウンターを打ってるようにも思える。生ぬるい攻撃をした覚えは無いが、それでもこちらの上を往く。
 ……身体操作とあの子自身の反射が交わって凄まじい事になってるな」

「と、言うと?」

「おそらく自分の体を、自分で外部から操ってる。その上聖王の鎧とゆりかごの加護の防御のお陰で守りにそれほど気を向けなくていいから楽だよな。その証拠に」

 彼の言葉と共に、彼女の腕部、脚部に極光が集まっていくのが見える。 

「文字通り、ゆりかごの内蔵魔力……いや、ゆりかごを相手にするようなものだ。全く誰をモデルにした戦闘技術やら」

 呆れるように告げる彼の声は、どこか寂しそうだった。

 私達はコレに心当たりがある。彼女の両腕をよくよく見れば、極光がガントレットの形を為しているのが分かる。両脚はただ纏っているだけなのに、だ。

「さて、ゆりかごの魔力に、聖王の鎧。加えて素の防御の高さ。更には基本的に未来視有り。単体ならばいざしらず、ゆりかごと共に相手にするとここまで大変だとはね」

「そうだねぇ。私なんて受ける度にしんどくなるよ」

 腐っても聖王なのだと嫌というほど思い知らされる。徐々に体が崩れていくようなそんな感覚に陥っていく。やはり相性は悪いんだなと。まぁ、聖なる王なんて言われてるんだもの、吸血鬼との相性なんて考えるまでも無い……か。
 
「さぁ、私達が滅ぶか、あちらが残るか」

「あぁ、お互いに息がある内に決着を付けたい所だな」

「フフ、ははははは!」
 
 こちらが体勢を整えてる間に、虹の極光を撒き散らしながら彼女が笑う。

「この状態で、本気で闘うの初めてだから……優しくし・て・ね」

 瞬間、私達の前に彼女が現れ、拳を放たれる。その軌道は顔面直撃コース……ではなく。

 ヴァレンが回避しようとした左方向。私と別れるように飛んだ先。だが、その拳を足場として踏んで飛ぶ。そのまま空を足場に彼女に向けて一閃の如く足を振り下ろす。
 頭上からの一閃。並大抵の相手なら捉えた攻撃。だが。ここに私も左の掌を腹部に、右の掌を顔に向けて放つ。互いに音と同じ速度。

 が。

 無情にも上からの攻撃は躱され、私は両手を掴まれる。しかし、コレでいい。

 なぜならば。

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