暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少?リリカルなのは UnlimitedStrikers
第71話 最後の痴話喧嘩を
[5/10]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
離してしまった。敵が強大で障壁もあるというのに。

 最後に打ち上げられた時。完全に走馬灯が見えた。

 だが、光が差したのは確かだ。流……いや、ヴァレン?という人が現れてから完全に流れが変わった。

 とりあえず思ったのが……。圧というか、プレッシャーを向けられてるわけでもないのに、勝てる気がしないと思ったことだ。

「響!」「主!」

 あちこち殴られたせいで、体の至るところが悲鳴を上げている。そんな中でフェイトと花霞が駆け寄ってくれた。

「あぁ、大丈夫……とはいい難いけど」

 フェイトに支えられるまま、少し下がる。あーあー。せっかくの金髪と白いジャケットに俺の血がついてまぁ。

「すまない、汚した」

「それはいいから!」

 しかし、さっきと打って変わっての、攻撃を与える時の拳の入れ方。機動の変わり様。そして何より……俺ではアイツの影を見ることしかできなかった。その上格闘初心者からの、突然の徹しを使用した打撃。アイツが痛めつけて、大技で締めるという事を考えてなかったら。さっさと死んでた。

 死に掛けたらパワーアップってどこのゲームだよ全く。

 だが……。

「フェイト、あれ……どう見る?」

「流と……マリ・プマーフ。ううん、流の言葉を借りるなら……キュオンって呼ばれてたね」

 目の前で、まるで教会の神父とシスターの様な二人に視線を向ける。強大な魔力……いや、虹の極光を放ちながらも、あの2人も負けてない。それどころか拮抗している。

 でも。

「そのキュオンって人。俺の目の錯覚で無ければ――――」


――sideヴァレン――

 ――――決戦兵装、ディエス・イレ。

 数百年振りのこれの起動。やはり体が悲鳴をあげている。

 魂を動力炉に。魔力を熱に。拳を振えば熱は光となり放出される。聖王の鎧だけならばここまではいらない。だが、ゆりかごと一体と化した、無限とも取れる魔力を内蔵した聖王を相手にするならば……これでも足りるかどうか。

 それに―――

「キュオン、いいんだな?」

「既に決めたことです。構いませんよ」

 綺麗なストロベリーブロンドが、まるで燃え上がる炎の様に煌めいている。だが、何より目を引くのは。

「―――そうか」

 彼女の顔に罅が入り、一部が欠け落ちている。

 聖魔法……とは言わないが、それでもだ。例え最強とも取れる吸血鬼の躰であっても、いや、何より彼女の魂は既に限界を向かえていたということ。
 無理もない、共に過ごした時はこの体から血を得ていたのに、別れてからの数百年。彼女は吸血鬼であるということをほとんど捨てて生きていたのだから。

 今でこそ、血を吸ったとは言え……やはり。

「心配す
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ