暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少?リリカルなのは UnlimitedStrikers
第71話 最後の痴話喧嘩を
[3/10]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
であろうとしているのかを。ハッキリ言われた。

 ―――救いたいと願うのでは、思うだけでは足りない。だからこの身を掛けて往く。結果自分達がどうなろうと無事平穏に生きていたらそれでいい。

 平然と躊躇もなく、それを選んだ。だからこの一戦は彼らにとっての最終章。得る物など1つもなく。1つあると知れば……それが例え、敗北と言う結末だとしても、だ。

 さぁ、急ごう。私にも役割があるし何より気に掛かる点がある。管理局がどう動いてるかは分からない。だが、それでもだ。

 管理局にこの船を撃墜する術があるのを知ってる者が、なにもしない訳ないのだから。嫌になるよ、全く……!



――sideなのは――


「みちゃダメ!」

 咄嗟にヴィヴィオの目を覆う。色々不可解だと思うものは沢山ある。いつかの遺跡の人がそこに居るということ。そして、いつか六課に来て、流を救ったシスター……マリ・プマーフ。
 いや、あの人の言葉を借りるなら、キュオンと呼ばれた人は、文字通り盾となったと共に、粉砕されてしまった。

 なぜ映像に映し出されているのか分からないし、なぜそこにいるのかとか、色々ある。

 けど。

 映像の向こうでたった今、命が消えたのを見てしまったのだから。

 ふと、気づいた。ヴィヴィオの目を覆った手が濡れていることに。それが意味するのは。

「ヴィヴィオ、大丈夫?」

 覆った手を離して、映像が見えないように背を向けて。泣いてるヴィヴィオに声を掛ける。人が死ぬ瞬間を見てしまったのだろうと心配する。だけどその顔はどこか安心したような、懐かしい物を見たような顔をしていて。

「違うの……違うのママ」

「何が違うの?」

 ぽつりぽつりと話し始めるヴィヴィオの言葉を聞きつつ、静かに涙を流している。

「あの人達なら平気だよ。だって、だって……」

 自然とモニターに視線が戻っていく。未だに血の海と化しているモニターの向こうでは狂ったような笑い声が響いている。

「私の中の聖王オリヴィエが、記憶が言ってるの。キュオン様も、ヴァレン様も……大丈夫だって。あの二人が来たのならもう平気だって」

 どこか嬉しそうにそう話すヴィヴィオを見て、今一度モニターを見る。

 そして、言葉を失った。

『ねぇ、紛い物さん。その程度じゃダメですよ』

 黒霧と見間違えるような血の霧が、虹の光を飲み込み、赤黒く染めていく。狂ったように笑っていた声が止まって。

『やはり貴女は紛い物。コレで決めました。貴様も連れて行くことを』

 自分の体を抱きしめていた彼女の後ろに霧が集まったと思えば、手と顔が出来て、徐々に体が構成されると共に、衣類も粉砕される前の状態で復元されつつある。更に後ろから抱
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ