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魔法少?リリカルなのは UnlimitedStrikers
第70話 星の光
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を俺が掻っ攫う上に。コレは、俺とフェイトの合わせ技なのだから。
己の存在を、殺気も呼吸も存在も、お前からの認識を極限まで薄めただけの、この疾走は音を超える。
現れたヌルを視界に、否。存在を捉える。刀を鞘に収めるとともに、体を地すれすれへと屈ませながら真直に、雷鳴の如く駆け抜ける。
砕星は、両手の居合の中でも手数に重みを置いた多数を斬るための斬撃。地薙は、居合からの抜き身の抜刀術。居合の速度を持った直接攻撃。絶波は、二刀を持って波を断ち切り居合の弐閃。そして、最後の1つは――
ヌルが驚いた顔をしたのが見えたと同時に、守りに意識を向けたのを確認して。彼女の背後へと逸れ降りる。その直後地を蹴って切り返すと同時に、右腰にもう一本白い刀が出現する。それを即座に抜いて閃かせる。
背面から一打を放つが、それでも足りない。すかさず左側面から二打。なおも切り替えして、右側面から三打。
──まだ足りない、まだ届かない。
体を走る黒い稲妻が弱くなるのを感じる。それに伴って動きが僅かに淀んでいく。だからコレは正真正銘の最終打。
刀を、
花霞
(
・・
)
を鞘へと収め空へと放る。同時に最後の疾走。コレを持って決める。あれだけ硬いなら死ぬ心配はない。意識を飛ばせばいいのだから。だからこそ。
腰に差した二刀の柄を逆手で握る。遠い昔から思い描いたこの一打。きっと最初で最後のこの一打。
瞬間、更に加速する。二刀を鞘で走らせると共に、二刀の斬撃は音を超える。二刀を閃かせる間も無く。寸分違わず同じ場所へ斬撃を放つ。そして、空へと舞って、刀を、花霞を手にとって。真直に斬り落とす。
これぞ。
「
割天
(
さてん
)
三段」
花霞を腰に差したと同時に、ヌルが倒れたのを確認した。そして、体を纏っていた黒い稲妻が弱々しく消えると共に、体の中で暴れまわってた魔力が鳴りを潜めるのを感じて。
「響!」
『やりましたね!』
気が付けばフェイトがそばにいて。俺の中から花霞が喜びの声をあげている。ぶはっと、呼吸を再開させて、荒い呼吸のままフェイトを見据えて。
「ありがとう――、フェイトのお陰で勝てた!」
感極まって、そのまま抱きしめる。あの黒い稲妻の正体。中で暴れまわっていたのは、フェイトの魔力だ。母さんの魔力を感じながら、同時にフェイトの存在を強く噛みしめることが出来た。
だからこそ、一時的に雷の如きの機動性を獲得できたし、思考速度の加速も出来た。あれがなければ勝てなかったのだから!
「あの、響、あの?」
「え、あ、ごめん。勢い余ってごめん」
腕の中で真っ赤になってるフェイトの声に気づいて離す。それと同時に花霞とユニゾンを解除と共に、三本目の刀が消失した。
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